出版社内容情報
個人は国家に対して義務を負うか?――ソクラテス以来の根本命題に気鋭の法哲学者が挑む。
内容説明
個人の責務への問いを起点に世界秩序構想を辿る思想の旅。ソクラテス、ホッブズ、カント、ロールズ、サンデルなど古今の思想を渉猟し、国家と法をめぐる根本問題に挑む。
目次
個人は国家に対して義務を負うか?―政治的責務の正当化根拠を問う
第1部 国民の共同体としての国家(人間関係から責務が生じる―関係的責務;国家は親か?国民は友か?―関係的責務論;普遍的な父の下における兄弟―原理の共同体論)
第2部 同意によって構築された国家(同意は義務づける―明示の同意論;居住や投票は同意か?―暗黙の同意論;仮説の同意は同意か?―仮説の同意論と同意の批判理論)
第3部 人々に利益をもたらす国家(国家は自己利益を最大化する―自己利益論;国家の恩に感謝する―感謝論;国家の存続に個人の遵法は必要か?―必要テーゼ;あなたが負うから私も負う―フェプレイ論;一般的な遵法義務は存在しない―哲学的アナキズム;国家は自然状態よりいいか?―自然状態テーゼ)
第4部 義務を果たす手段としての国家(人間が当然に負う義務―自然義務論;正義の制度を支持する義務―正義の自然義務論;法的状態を実現する義務―法的状態実現義務論;国家は分業である―割当責任国家論)
政治的責務と遵法義務
著者等紹介
瀧川裕英[タキカワヒロヒデ]
1970年愛知県生まれ。1993年東京大学法学部卒業。同年東京大学大学院法学政治学研究科助手。1998年大阪市立大学法学部助教授。2010年大阪市立大学大学院法学研究科教授。2012年立教大学法学部教授。専攻、法哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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