出版社内容情報
日本の刑法学の通説が前提としてきた「正犯・共犯」に関する思考枠組みは自明のものなのか.本書は,従来まとまって議論されてこなかった正犯・共犯論と結果帰属論とを一体化して検討し,共犯論における処罰可能範囲と共犯規定適用の限界を明らかにする.
内容説明
本書は、著者が東京大学助手時代に執筆した助手論文「他人の行為の介入と正犯成立の限界―故意作為犯を中心に」、立教大学に赴任してからの論文である「適法行為を利用する違法行為」、「広義の共犯の一般的成立要件―いわゆる「中立的行為による幇助」に関する近時の議論を手がかりとして」、「いわゆる「故意ある道具」の理論について」に加筆・修正をしてまとめなおしたものである。
目次
序 問題提起と本書の課題
第1章 わが国の判例における正犯論と結果帰属論の関係
第2章 正犯概念と因果関係論・結果帰属論の関係についての歴史的検討
第3章 間接正犯の構造―行為支配説の検討
第4章 介在事情と背後者の行為との関係
第5章 介在事情の性質
第6章 「介在」の意義
第7章 広義の共犯成立の限界
終章 本書の結論
著者等紹介
島田聡一郎[シマダソウイチロウ]
1974年東京に生まれる。1996年東京大学法学部卒業。現在、立教大学法学部助教授
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