出版社内容情報
日本の「失われた10年」は,宮沢政権に始まり小泉政権で転回する.1990年代日本の経済政策や外交政策の帰結は小泉政権の政策課題に収斂し,そこでそれまでの政策対応との決別を強調した政策転換が行われた.本書は「失われた10年」とそれ以降との結節点・分岐点である小泉政権を起点に90年代日本を逆照射し,21世紀へと至る変化のダイナミズムを描き出す.
内容説明
重要な政策的画期をなす小泉政権を起点に、1990年代日本を逆照射し、21世紀へと至る変化のダイナミズムをとらえる。1990年代日本の実相をとらえなおし、その歴史的意味を問う。日本の「いま」と「将来」を見据えるための、欠くことのできない知的実践。
目次
政治展開・小泉政権の意味―「失われた10年」との断絶、「失われた10年」以降の端緒
1 政府制度的課題(小泉改革の位相―先進諸国の中の日本の政治変化と政策対応;政治的リーダーシップと構造改革;国家・社会関係―市民セクターの発展と民間非営利法制)
2 政策的課題(長期経済停滞下の財政運営と銀行部門再建;政治的リーダーシップと財政投融資改革―成果と限界;三位一体改革による中央地方関係の変容―3すくみの対立、2段階の進展、1つの帰結 ほか)
3 国際的課題(対外経済政策―日米構造協議から東アジア共同体へ;冷戦後の安全保障戦略)