出版社内容情報
アラブ・イスラームにおける専制主義をめぐってナフダ(復興)第二世代と呼ばれる思想家たちは,近代を模索するアラブ世界をいかにとらえていたのか.自由や民主主義を希求し,現在にも連なる開かれた知を求める思想の展開を明らかにする.
目次
問題の所在―独自性論批判
第1部 「公正な専制者」からメカニズムの理解へ(独自性論の背景―ナフダ第一世代までの専制批判;ムハンマド・アブドゥにおける二つの認識体系―「公正な専制者」の概念の再検討;観念化する専制批判―アラブ亡命知識人の源流;アディーブ・イスハークにおける自由と専制主義―新しき政治規範と抑圧のシステム)
第2部 専制システムの解体理論(進化論的アプローチによるアラブの専制批判―シブリー・シュマイイルの思想を中心に;アブドゥッラー・ナディームにおける“金持ちの専制”批判―国民的団結を求めて;『専制の性質』再考―西欧の影響とアラブの共通精神)
結論 ナフダ時代の専制批判から学ぶもの
著者等紹介
岡崎弘樹[オカザキヒロキ]
1975年生まれ、広島で育つ。2000年一橋大学社会学部卒業。2016年パリ第3大学アラブ研究科博士課程修了。社会学博士。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、京都大学や大阪大学ほかで非常勤講師。専門はアラブ近代政治思想ならびにシリアの政治文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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