出版社内容情報
日独関係の歴史像の形成に寄与するシリーズ。I巻はシリーズ全体の総説と、1920年代までの日独関係に焦点をあてた論文で構成。
内容説明
友好・協調と対立・葛藤―曲折に満ちた日独関係、その実相を東アジア国際関係から照射する。
目次
総説 (東アジア国際関係の中の日独関係―外交と戦略;日独経済関係の変遷―対立と協調)
1 東アジアにおける邂逅(日清・日露戦争とドイツ;膠州湾租借条約の成立;ジーメンス社の対日事業;1927年日独通商航海条約と染料交渉)
著者等紹介
工藤章[クドウアキラ]
東京大学社会科学研究所教授(ドイツ経済・国際関係企業史)。1946年東京都生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。信州大学経済学部助教授、東京大学教養学部助教授などを経て1992年より現職
田嶋信雄[タジマノブオ]
成城大学法学部教授(国際政治史・比較政治学)。1953年東京都生まれ。北海道大学法学部卒業。同大法学部助手、成城大学法学部専任講師、同教授を経て1996年より現職。博士(法学、2005年、北海道大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ろーじゃ
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政治だけでなく、国家間・企業間レベルでの経済からも日独関係を分析していて面白いです。戦前戦中の日独関係は、欧州や東アジアの情勢に揉まれて受動的な形で成立するところが極めて多く、日独中ソなどの同盟構想から中ソ(時にはイタリアや英国)が抜け落ちた結果として成立する消極的なものであるという視点が非常に興味深かったです。 2013/01/03
kozawa
0
全三巻で論じられるが、ドイツ側の事情が政治経済、そして各要人の個別の立場レベル等等多元的に見られていて面白い。国際関係は外国同士の横の関係もみなければわからないし、いや、それを見てすらリアルタイムでは当事者でもわかっていない。そして国内でも複雑な動きがある。後になってそれがひもとかれる。日本の近代史を読み解くまた興味深い視点。2009/09/18