出版社内容情報
1972年の国交回復以来、最も冷え切っているといわれる日中関係。こうした現状を憂慮する日中の若手研究者らによる、共同研究の成果。近現代の日中関係史を形成し争点となってきた事件、問題についてそれぞれの視点から整理し、共通理解への道筋を探る。
内容説明
日中戦争、南京事件、歴史教科書、靖国参拝…。日本と中国の近現代史を形づくってきた出来事をめぐり深刻な相違が浮かび上がっているいまこそ、理性的な対話が必要なのだ―。日中の若手研究者らによる問いかけ。
目次
第1部 歴史の事実と歴史認識(日中関係史の語り方―19世紀後半;関係緊密化と対立の原型―日清戦争後から二十一カ条要求まで;「反日」・「反中」循環のなかの日中外交―満州事変前夜;「田中上奏文」をめぐる論争―実存説と偽造説の間;満州国史の争点―同時代と後世の視角;南京アトロシティズ―建設的な対話は可能なのか;汪兆銘と「南京国民政府」―協力と抵抗の間)
第2部 和解のための歴史認識を求めて(日本の歴史教科書の制度と論争構図;歴史教科書にみる日中の相互認識;台湾の日本時代をめぐる歴史認識;戦後日本の政治と慰霊;戦争賠償問題から戦後補償問題へ;歴史対話と史料研究)
著者等紹介
劉傑[リュウケツ]
早稲田大学社会科学総合学術院教授(近代日本政治外交史)。1962年中国・北京生まれ。93年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。早稲田大学社会科学部専任講師、同助教授を経て2003年から現職
三谷博[ミタニヒロシ]
東京大学大学院総合文化研究科教授(日本近代史)。1950年広島県生まれ。78年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。学習院女子短期大学専任講師、助教授を経て、96年より現職
楊大慶[ヨウダイケイ]
ジョージワシントン大学准教授(日本・東アジア近代史)。1964年中国・南京生まれ。ハワイ大学およびシカゴ大学修士課程、ハーバード大学博士課程修了。博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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