出版社内容情報
帝国主義期における、日独・中独・日中の三つの二国関係が重層的に織りなすドイツ=東アジア関係史の全体像を描き出す。帝国主義の時代における,日独・中独・日中の三つの二国関係が重畳的に織りなす「ドイツ=東アジア関係史」
の全体像を構築するとともに,それらが東アジア国際関係史全体に対して有した影響を,関係史の歴史的個性
と内的ダイナミズムを携えて明らかにする.
序 課題と視角(田嶋信雄・工藤 章)
総 説
I ドイツの外交政策と東アジア 一八九〇-一九四五――重畳する二国間関係(田嶋信雄)
II ドイツの通商政策と東アジア 一八九〇-一九四五――崩壊・再建・変容(工藤 章)
I 「文明化の使命」とその帰結 一八九〇-一九一四
第一章 清独通商条約改正交渉――規制緩和要求と主権確保の衝突(小池 求)
第二章 ドイツ土地改革者同盟と膠州領土地令――シュラーマイアーと孫文の民主主義(熊野直樹)
第三章 ドイツ領サモアにおける「人種」と社会層――混合婚をめぐる議論を起点として(中村綾乃)
第四章 植民地朝鮮におけるドイツのキリスト教宣教団――文明・共同体・政治(李有載)
II 東アジアへの固執 一九一四-一九三一
第五章 第一次世界大戦と「独探馬賊」――ドイツのユーラシア「革命促進」戦略と満洲(田嶋信雄)
第六章 北京関税特別会議と通商政策――東アジア外交におけるアメリカへの追随(工藤 章)
第七章 一九二〇年代における中国市場調査――市場の再獲得をめざして(浅田進史)
III 危機のなかの模索 一九三一-一九四五
第八章 戦間期日本の「西進」政策と日独防共協定――ユーラシア諜報・謀略協定の展開と挫折(田嶋信雄)
第九章 ドイツのファシズム政権と中国――協力関係から断絶へ(周恵民)
第十章 IGファルベンの中国戦略――戦争準備と人造石油(工藤 章)
第十一章 第二次世界大戦期の「満」独通商関係――満洲大豆から阿片へ(熊野直樹)
第十二章 ドイツ東洋文化研究協会(OAG)の東アジア研究――学術的関心の持続(クリスティアン・シュパング,スヴェン・サ-ラ)
GERMANY AND EAST ASIA 1890-1945
Nobuo TAJIMA and Akira KUDO, editors
田嶋 信雄[タジマ ノブオ]
田嶋 信雄
田嶋信雄:成城大学法学部教授
工藤 章[クドウ アキラ]
工藤 章
工藤 章:東京大学名誉教授
目次
総説(ドイツの外交政策と東アジア・一八九〇‐一九四五―重畳する二国間関係;ドイツの通商政策と東アジア・一八九〇‐一九四五―崩壊・再建・変容)
1 「文明化の使命」とその帰結・一八九〇‐一九一四(清独通商条約改正交渉―規制緩和要求と主権確保の衝突;ドイツ土地改革者同盟と膠州領土地令―シュラーマイアーと孫文の民生主義;ドイツ領サモアにおける「人種」と社会層―混合婚をめぐる議論を起点として;植民地朝鮮におけるドイツのキリスト教宣教団―文明・共同体・政治)
2 東アジアへの固執・一九一四‐一九三一(第一次世界大戦と「独探馬賊」―ドイツのユーラシア「革命促進」戦略と満洲;北京関税特別会議とドイツの通商政策―東アジア外交におけるアメリカへの追随;一九二〇年代における中国市場調査―市場の再獲得をめざして)
3 危機のなかの模索 一九三一‐一九四五(戦間期日本の「西進」政策と日独防共協定―ユーラシア諜報・謀略協力の展開と挫折;ドイツのファシズム政権と中国―協力関係から断絶へ;IGファルベンの中国戦略―戦争準備と人造石油;第二次世界大戦期の「満」独通商関係―満洲大豆から阿片へ;ドイツ東洋文化研究協会(OAG)の東アジア研究―学術的関心の持続)
著者等紹介
田嶋信雄[タジマノブオ]
成城大学法学部教授(国際政治史、比較政治学)。1953年東京都生まれ。北海道大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(法学、北海道大学)。北海道大学法学部助手、成城大学法学部専任講師、同助教授を経て1996年より現職
工藤章[クドウアキラ]
東京大学名誉教授(ドイツ経済史・企業史、国際関係企業史)。1946年東京都生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。信州大学経済学部助教授、東京大学教養学部助教授、東京大学社会科学研究所教授などを経て2010年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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