出版社内容情報
三つの文化的要素が併存するシチリア王国研究を、多言語史料から切りひらいた第一人者による決定版論集。
ラテン・ヨーロッパ文化,ギリシア・ビザンツ文化,アラブ・イスラム文化が併存するシチリア王国は,複雑で流動的な地中海世界のなかで,世界史に重要な役割を果たした.その行政機構や官僚組織,さらには宗教・文化が絡みあう実態を,多言語史料から切りひらいた著者による決定版論集.
序 章 ノルマン・シチリア王国と歴史家たち
第一部 行政機構と官僚
第一章 十二世紀シチリアにおけるノルマンの財務行政機構
第二章 十二世紀シチリアにおけるファミリアーレース・レギスと王国最高顧問団
第三章 十二世紀ノルマン・シチリア王国の行政官僚
第四章 ノルマン・シチリア王国のアミーラトゥス――ノルマン行政の頂点にたつアラブ官職
第五章 ノルマン・シチリア王国の行政機構再考
第二部 権力と統治システム
第六章 シチリア伯ロゲリウス一世の統治――ノルマン統治システムの基礎
第七章 中世シチリアの宮廷と王権――権力中枢の変化と多文化的要素
第八章 ノルマン・シチリア王国の権力構造――王,貴族,官僚,都市
第九章 南イタリアにおける法と君主国
第三部 宗教と異文化併存
第十章 シチリアにおける「宗教的寛容」――ノルマン君主支配下のムスリム
第十一章 フレデリクス二世の十字軍――キリスト教徒とイスラム教徒の外交の一例
第十二章 地中海地域と極東における移住――中世のシチリア島と日本
第十三章 中世シチリアにおける農民の階層区分
附録
書評1 Graham A.Loud,<i>Church and Society in the Norman Principality of Capua,1058-1197</i> (Oxford U.P.,1985).
書評2 Joanna H.Drell,Kinship and Conquest:<i>Family Strategies in the Principality of Salerno</i> (Cornell U.P.,2002).
書評3 Alex Metcalfe,<i>The Muslims of Medieval Italy</i> (Edinburgh U.P.,2009).
初出・既出一覧
あとがき
参考文献
索引
【著者紹介】
高山 博
高山 博:東京大学大学院人文社会系研究科教授
目次
ノルマン・シチリア王国と歴史家たち
第1部 行政機構と官僚(十二世紀シチリアにおけるノルマンの財務行政機構;十二世紀シチリアにおけるファミリアーレース・レギスと王国最高顧問団;十二世紀ノルマン・シチリア王国の行政官僚;ノルマン・シチリア王国のアミーラトゥス―ノルマン行政の頂点にたつアラブ官職;ノルマン・シチリア王国の行政機構再考)
第2部 権力と統治システム(シチリア伯ロゲリウス一世の統治―ノルマン統治システムの基礎;中世シチリアの宮廷と王権―権力中枢の変化と多文化的要素;ノルマン・シチリア王国の権力構造―王、貴族、官僚、都市;南イタリアにおける法と君主国)
第3部 宗教と異文化併存(シチリアにおける「宗教的寛容」―ノルマン君主支配下のムスリム;フレデリクス二世の十字軍―キリスト教徒とイスラム教徒の外交の一例;地中海地域と極東における移住―中世のシチリア島と日本;中世シチリアにおける農民の階層区分)
著者等紹介
高山博[タカヤマヒロシ]
1956年福岡県浮羽郡(現在、久留米市)田主丸町に生まれる。1980年東京大学文学部西洋史学科卒業、同大学院進学(~88年)。1989年英国ケンブリッジ大学客員研究員(~90年)。1990年米国エール大学大学院歴史学博士課程修了、Ph.D.(歴史学)取得、R.Lopez Memorial Prize(最優秀中世史博士論文賞)受賞。一橋大学経済学部助教授。1993年東京大学文学部助教授。1995年フランス国立社会科学高等研究院客員研究員(~96年)。2004年東京大学大学院人文社会系研究科教授(現在に至る)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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鏡裕之