出版社内容情報
朝鮮近代史研究から、19世紀後半の東アジア世界の状況をふまえ、福沢の朝鮮論を思想史的に分析し、歴史認識問題に光をあてる。
西洋列強の影響力が強まるなか,アジアにおける朝鮮の「文明化」・「独立」を唱えた福沢の「朝鮮改造論」.福沢が支援した朝鮮開化派の動向や国際情勢の変動を踏まえて,福沢の東アジア論を朝鮮近代史の文脈から読み解く.今日まで続く東アジア歴史認識問題の根源に迫る力作.
序章 福沢諭吉と朝鮮開化派
1 福沢の朝鮮に対する「政治的恋愛」
2 脱亜主義とアジア主義
3 福沢の中国・朝鮮認識――一八七〇年代以前
第一章 朝鮮「独立」の東アジア的文脈―― 一八八〇―一八八四
1 壬午軍乱の発生と「朝鮮改造論」の提唱
2 壬午軍乱後における「朝鮮改造論」の再展開と挫折
第二章 巨文島事件とイギリス・ロシアの脅威――一八八五―一八九一
1 巨文島事件と朝鮮「独立」論の危機
2 巨文島事件後における「朝鮮改造論」の放棄
3 巨文島事件後における朝鮮開化派の動向
第三章 日清戦争と朝鮮の内政改革 ――一八九二―一八九五
1 イギリスの巨文島撤退以後の「東洋」政略論
2 日清戦争時における「朝鮮改造論」の復活
3 甲午改革と「朝鮮改造論」の展開
終 章 近代日本の脱亜主義とアジア主義
1 俄館播遷後における「朝鮮改造論」の再放棄――一八九六年以後
2 朝鮮開化派の「文明の単系発展論」
3 「義侠心」を媒介としたアジア主義
「脱亜論」全文
関連年表
【著者紹介】
月脚 達彦
月脚達彦:東京大学大学院総合文化研究科教授
内容説明
日清戦争以前の東アジア―「大国」の中国、朝鮮、そして日本。西洋列強の力が強まるなか、朝鮮を「文明化」、「独立」させることを唱えた福沢の「朝鮮改造論」。福沢と朝鮮開化派の関係から見えてくるものは?今日まで続く日本と朝鮮の認識をめぐる問題の根源とは?福沢の東アジア関係論に対して、朝鮮近代史の文脈から迫る力作。
目次
序章 福沢諭吉と朝鮮開花派(福沢の朝鮮に対する「政治的恋愛」;脱亜主義とアジア主義;初期福沢の中国・朝鮮認識―一八七〇年代以前)
第1章 朝鮮「独立」の東アジア的文脈―一八八〇‐一八八四(壬午軍乱の発生と「朝鮮改造論」の展開;壬午軍乱後における「朝鮮改造論」の再展開と挫折)
第2章 巨文島事件とイギリス・ロシアの脅威―一八八五‐一八九一(巨文島事件と朝鮮「独立」論の危機;巨文島事件後における「朝鮮改造論」の放棄;巨文島事件後における朝鮮開化派の動向)
第3章 日清戦争と朝鮮の内政改革―一八九二‐一八九五(イギリスの巨文島撤退以後の「東洋」政略論;日清戦争時における「朝鮮改造論」の復活;甲午改革と「朝鮮改造論」の展開)
終章 近代日本の脱亜主義とアジア主義(俄館播遷後における「朝鮮改造論」の再放棄―一八九六年以後;朝鮮開化派の「文明の単系発展論」;「義侠心」を媒介としたアジア主義)
著者等紹介
月脚達彦[ツキアシタツヒコ]
1962年北海道生まれ。1994年東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。朝鮮近代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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