出版社内容情報
社会主義と民族問題，革命と戦争という現代史の課題にイスラム世界から誠実に対処したスルタンガリエフ－－文章・手紙・演説を中心に編まれた本書は，一人のムスリム社会主義者の実像と，多民族間の共存と協調を模索する歴史のダイナミズムを浮き彫りにする．
目次
第１部 解説―スルタンガリエフの夢と現実（「回帰のイデオロギー」とスルタンガリエフ；スルタンガリエフの生と死；国民国家のなかのスルタンガリエフ；史料の分類と内容）
第２部 史料（自伝的覚え書き；文学評論と習作；革命理論と決議；革命と内戦 ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoneyama
9
ペレストロイカ以前に書かれた、スターリン同世代にムスリム的かつ民族主義的共産主義を唱えて歴史から消された革命家を発掘した「スルタンガリエフの夢」という著者渾身の著書を、その後ペレストロイカで90年代に次々明らかになったスルタンガリエフ資料を添えて「現実」を追記した第二弾という位置づけ。読む順番を間違えていますが、こちらは本人の獄中記などが加わり、資料的内容がたっぷり。著者によるスルタンガリエフ論は変わらず熱い。2022/11/14
