出版社内容情報
近世から現代の東アジア各地にて、人びとは日常のなかでいかに「健康=生存の質」を追求してきたのか。感染症対策をはじめとする様々な事例から、同地域の文化的共通点や相互交流、多様な健康観のせめぎあいや調整の実態を明らかにする。COVID-19の世界的流行下に、東アジアの歴史的経験を深く考察する。
内容説明
人びとは「健康=生存の質」をいかに追求してきたのか―。感染症に脅かされるいま、東アジアの歴史的経験に向きあう。
目次
第1部 健康の語られ方(「みみちかく、さとしやすき」養生論―近世前期の健康問答;健康のための選択―近代韓国における大衆と医療;健やかな小学生―近代中国の教科書からみる健康観;健康の売り文句―近代上海の肝油広告)
第2部 政策と健康(屎尿に対する認識の変化と下水処理化―明治期から戦後の日本;ヒトの健康とウシの健康―畜牛結核対策の歴史;子供の健康と占領政策―日米の文脈比較)
第3部 環境と健康(「風土病」をめぐる2つの発見;総力戦的予防―日本における住血吸虫症対策;暮らし・健康・地域社会―愛媛県三崎町でのリンパ系フィラリア症対策)
著者等紹介
福士由紀[フクシユキ]
1973年生まれ。東京都立大学人文社会学部准教授。中国近現代史・医療社会史
市川智生[イチカワトモオ]
1976年生まれ。沖縄国際大学総合文化学部准教授。日本近代史・日本医療社会史
ベイ,アレクサンダー・R.[ベイ,アレクサンダーR.]
1970年生まれ。チャップマン大学歴史学部准教授。日本近代史・医学史
金穎穂[キムヨンス]
1977年生まれ。韓国延世大学校医科大学人文社会医学教室医史学科研究助教授。近代日韓医学史・東アジア医療社会史・日本近代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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