出版社内容情報
異なる価値観を持つ国家間の関係性を保つための、コミュニケーションを通じた公的秩序形成の可能性を読み解く。異なる価値観を持つ国家の関係性を良好に保つための礎となるものはなにか.コミュニケーションを通じた政治秩序の形成の可能性を,東アジアにおける近代のなかでの日本とその近隣とのつながりのなかで見出す.公的秩序を形成するために,歴史的な経験からの有効な視座を指し示す.
序 論 東アジア近代における「公論」と「交際」(塩出浩之)
第一部 儒教的政治文化と「公論」
第1章 武士の政治化と「学党」――一九世紀前半の日本における「士大夫的政治文化」の台頭(朴薫)
第2章 儒学と真宗説法――僧月性と幕末の公論空間(上田純子)
第3章 公論正議の敵――長野義言研究序説(三ツ松誠)
第二部 東アジア近代の「交際」と新聞
第4章 プロイセン東アジア遠征と日本・中国――近世近代転換期の日中外交比較の試み(福岡万里子)
第5章 明治初年の開化論と公論空間(池田勇太)
第6章 台湾出兵をめぐる東アジアの公論空間(塩出浩之)
第三部 ナショナリズム時代の「公論」と「交際」
第7章 「体験」と「気分」の共同体――戦間期の「聖地」ツーリズム(平山 昇)
第8章 「理性的な対話」による平和――太平洋問題調査会の試みとその限界(三牧聖子)
第9章 言葉による戦――アイデンティティをかけたアイヌの長い闘い(坂田美奈子)
あとがき
索引
執筆者紹介
The Public Sphere and Relationship Building in Modern East Asia
Hiroyuki Shiode, Editor
塩出 浩之[シオデ ヒロユキ]
塩出 浩之
塩出浩之:琉球大学法文学部教授
目次
東アジア近代における「公論」と「交際」
第1部 儒教的政治文化と「公論」(武士の政治化と「学党」―一九世紀前半の日本における「士大夫的政治文化」の台頭;儒学と真宗説法―僧月性と幕末の公論空間;公論正義の敵―長野義言研究序説)
第2部 東アジア近代の「交際」と新聞(プロイセン東アジア遠征と日本・中国―近世近代転換期の日中外交比較の試み;明治初年の開化論と公論空間;台湾出兵をめぐる東アジアの公論空間)
第3部 ナショナリズムの時代における「公論」と「交際」(「体験」と「気分」の共同体―戦間期の「聖地」ツーリズム;「理性的な対話」による平和―太平洋問題調査会の試みとその限界;言葉による戦―アイデンティティをかけたアイヌの長い闘い)
著者等紹介
塩出浩之[シオデヒロユキ]
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。琉球大学法文学部教授。専門は日本近代史・政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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