出版社内容情報
中世東アジアの文化や社会に大きな影響を及ぼした禅僧や戦争による交流と相互認識形成の歴史を描き出した、東アジア文化史。
中世の東アジアにおいて海をへだてた多様な交流が何をもたらしたのか.相互認識はどのように形成されたのか,海を往き来する禅僧によってつくられた文化交流,さらには戦争というかたちでもたらされた伝播のあり方を描く.対外関係史を牽引してきた著者による中世東アジア文化史.
序章 異文化交流と相互認識
I 自己意識と相互認識
1 天台聖教の還流――『参天台五臺山記』を中心に
2 日本僧の見た明代中国――『笑雲入明記』解説
3 東アジア諸国と日本の相互認識――15・16世紀の絵地図を中心に
4 壬辰倭乱の歴史的前提――日朝関係史における
5 抑留記・漂流記に16-17世紀の北東アジアを読む
II 東アジア文化交流と禅宗社会
1 日元交通と禅律文化
2 東アジアにひらく鎌倉文化――教育の観点から
3 寺社造営料唐船を見直す――貿易・文化交流・沈船
4 肖像画・賛から見た禅の日中交流
5 十年遊子は天涯に在り――明初雲南謫居日本僧の詩交
6 室町時代の日朝交渉と禅僧の役割
III 異文化接触としての戦争
1 1019年の女真海賊と高麗・日本
2 蒙古襲来と異文化接触
3 「倭城」をめぐる交流と葛藤――朝鮮史料から見る
4 慶長の役開戦前後の加藤清正包囲網
【著者紹介】
村井 章介
村井章介:立正大学文学部教授
目次
異文化交流と相互認識
1 自己意識と相互認識(天台聖教の還流―『参天台五臺山記』を中心に;日本僧の見た明代中国―『笑雲入明記』解説;東アジア諸国と日本の相互認識―一五‐一六世紀の絵地図を中心に;壬申倭乱の歴史的前提―日朝関係史における;抑留記・漂流記に十六‐十七世紀の北東アジアを読む)
2 東アジア文化交流と禅宗社会(日元交通と禅律文化;東アジアにひらく鎌倉文化―教育の観点から;寺社造営料唐船を見直す―貿易・文化交流・沈船;肖像画・賛から見た禅の日中交流;十年遊子は天涯に在り―明初雲南謫居日本僧の詩交;室町時代の日朝交渉と禅僧の役割)
3 異文化接触としての戦争(一〇一九年の女真海賊と高麗・日本;蒙古襲来と異文化接触;「倭城」をめぐる交流と葛藤―朝鮮史料から見る;慶長の役開戦前後の加藤清正包囲網)
著者等紹介
村井章介[ムライショウスケ]
1949年大阪生まれ。1972年東京大学文学部卒業。1974年同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学史料編纂所助手、同助教授、東京大学大学院人文社会系研究科教授をへて現在、立正大学文学部教授、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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