内容説明
異端によって新しい時代に対応した日本の仏教と社会を描く。
目次
第1章 序論
第2章 親鸞の思想
第3章 護国思想の系譜
第4章 現世利益の系譜
第5章 収奪の論理の系譜
第6章 破門権の系譜
付録
著者等紹介
笠原一男[カサハラカズオ]
1916年長野県に生る。1941年東京帝国大学文学部国史学科卒業。1977年東京大学教授を定年退官。放送大学教授、東京大学名誉教授を歴任。2006年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
29
秘事法門や三業惑乱等の異安心を扱ったものかと思ってたが、実際は浄土真宗、特に本願寺の思想の変遷を扱ったものであった。護国思想、現世利益、収奪、破門の五つに分けられており、本願寺が巨大化するに従い権力との関わり合いの中でそれに妥協、もしくはその中心となっていた時、どのようにそれを取り扱ったかということが中心となっている。教祖の時はひたすらに純粋な信仰だったのが、教団化されることによりどこか歪んでくる。どの巨大宗教にも共通する事であるが、実際に具体例を挙げて説明されると何かしら居たたまれない気分になってくる。2013/06/06