見知らぬものと出会う―ファースト・コンタクトの相互行為論

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見知らぬものと出会う―ファースト・コンタクトの相互行為論

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  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784130131520
  • NDC分類 361.3
  • Cコード C1010

出版社内容情報

「未知との遭遇」の多様な思考実験の蓄積があるSF(サイエンス・フィクション)作品を渉猟し,著者自身によるフィールドワーク,文化人類学,霊長類学,相互行為論,分析哲学などの知見を縦横無尽に参照して,コミュニケーションの成立条件を考察する.

「宇宙」とはすなわち,いまだわれわれの手の届かない場所のことを指している.しかしそこに,「人」すなわち何らかの意味でわれわれの理解可能な存在がいるというのである.「宇宙・人」を考えるということ自体がまさに,想像できないことを想像しようとする営為なのだ.さらに言えば,よりわれわれに身近なはずの「他者」さえも,同様な構造を持っている.「他・者」とは,私の手の届かない「他」であると同時に,石ころなどの「物(もの)」とは異なる,私と同質の「者(もの)」でもあるのだ.(「プロローグ」より)

プロローグ 宇宙・人

I 想像できないことを想像する

第1章 宇宙人という表象
1 寓意としての宇宙人
「あいつは宇宙人だ」/哲学と火星人
2 宇宙人表象の歴史的変遷
「人間もどき」たち/歴史上の宇宙人譚/サイエンス・フィクションの誕生/SFと人類学/UFO表象
3 SETIにおける宇宙人
SETIの歴史/ドレイク方程式/SETIと人類学

第2章 投 射――想像できないことを想像するやり方
1 人間というピボット
2 さまざまな引き延ばし
3 窓の向こう側
4 となりの宇宙人
出会い/「宇宙人」という支持点

第一の幕間 双対図式――投射と「枠」

II 見知らぬものと出会う

第3章 コンタクトの二つの顔
1 自然コード
2 関係に規則性をつくる
コンとポン/挨拶と規則性

第4章 「規則性」の性質――不可知性・意外性・面白さ
1 シャノン‐ベイトソンのバラドックス
2 アルゴリズム的複雑性
規則性を測る方法/計算不可能性/規則性をめぐる二つの困難
3 内向きの探索の困難――「別種の説明」がありうる
人類学における「説明」と「実践」/技術やゲームにおける「別種のやり方」/生命現象における「別種のやり方」
4 外向きの探索の困難――「意外な構造」がありうる
行為に対するタグづけ/言語ゲーム/ゲームの面白さ
5 粒度と階層の問題
構成要素の粒度/プログラムとパターンの階層

第5章 規則性のためのリソース――コードなきコミュニケーションへ
1 「リソース」の概念
道具性/「探索」の構え
2 コードというリソース
コードをリソースに還元する/「使い方」としての言語/言語は認識を決定するか?
3 身体というリソース
ベジタリアンの傾斜/宇宙人の類似性/動物と出会う/身体による理解の方法
4 「自分」というリソース

第二の幕間 それでもなお相互行為は可能か

III 枠と投射

第6章 ファースト・コンタクトSFを読む
1 友好系
『最初の接触』/『宇宙(あま)翔けるもの』
2 敵対系
『バーサーカー』/『エンダーのゲーム』
3 わからん系
『ソラリス』/『最悪の接触』/『戦闘妖精・雪風』/半可知な他者

第7章 仲良く喧嘩すること
1 トムとジェリーのパラドックス
2 翻訳の不確定性と寛容の原理
3 会話の格率と関連性の原則
4 「このようにやれ」と「とにかくがんばれ」

第8章 枠・投射・信頼
1 長い投射と短い投射
2 投射を定める枠・枠を探り当てる投射
3 生命と投射

エピローグ 接触に備えたまえ

Encounters with Extra-Terrestrials: Interaction Theory on “First Contact”
Daiji KIMURA

木村 大治[キムラ ダイジ]
著・文・その他

内容説明

もしも宇宙人と出会ったら。「未知との遭遇」の多様な思考実験の場であるSF(サイエンス・フィクション)作品を手がかりに、コミュニケーションの成立条件を明らかにする。「宇宙人」の人類学。

目次

1 想像できないことを想像する(「宇宙人」という表象;投射―想像できないことを想像するやり方)
2 見知らぬものと出会う(コンタクトの二つの顔;「規則性」の性質―不可知性・意外性・面白さ;規則性のためのリソース―コードなきコミュニケーションへ)
3 枠と投射(ファースト・コンタクトSFを読む;仲良く喧嘩すること;枠・投射・信頼)

著者等紹介

木村大治[キムラダイジ]
1960年愛媛県生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。専門は人類学、コミュニケーション論。1990年京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

冬佳彰

17
理系要素の入った人類学者による、ファーストコンタクト(無論、宇宙人とのね)を起点にした、相互行為論。3部構成なんだが、俺は2部あたりでちょっと中だるみしたかな。結局、なんだったんだ、この話は?と思い返すと、相互行為、相互理解、コミュニケーションってのは、どのような基盤、通路、素材で可能となっているのか(可能と想定しているのか)を、SFや宇宙人との遭遇時の想定、情報理論、哲学、ゲーム理論などをベースに考えるといった話だったんだろう。で、着地点は?と考えるのが俺の悪い癖だが、「そうなっている」が結論かなあ。2021/01/15

月をみるもの

16
時々「これは、おれのために書かれたに違いない」と勝手に確信してしまう本がある。理学部出身の文化人類学者が、「神狩り」「ソラリス」「エンダー」「雪風」といった事例について書いた本書がまさにそれ。「2001年宇宙の旅」のメイキング本と、フェルミのパラドックスに関する本 ( https://bookmeter.com/books/12862519 )を平行して読みつつ、 "What happens when we encounter them?"  について考えこむ週末であった。2019/07/22

ごじ

11
「想像できないことを想像する」。赤ちゃんという宇宙人を前にしたら、その子がいったいなぜ泣いているのか知りたがらない養育者はないのではないか。何を考え、なぜ笑い、なぜ走り回るのか?永遠に答えを宙吊りにされた「問い」の状態でしか私たちの主体は存在しえないのに、「問い」を停止し、単純な自己投影(本書の言う投射)に頼るとしたら、他者の〈顔〉は生命を持たず、貧弱で乏しい顔へと堕すだろう。倫理の声は届かず、「〈同〉の閉鎖的なナルチシズム」にたゆたうだけ。2019/06/26

Mc6ρ助

10
SF読みの爺さまには、堪らないお題。『つまり宇宙人とのコミュニヶーションにおいて問題になろだろうことは、「共通のコードの不在」ではなく、コミュニケーションへの志向性 (平たくいうと「やる気」) があるかないか、ということなのである。 (p246)』「次の質問をどうぞ」は「共通のコードの不在」なのか「やる気」の問題なのか?日本の政治家相手よりも、宇宙人の方が意思疎通が容易かもしれない。2018/12/12

やすお

7
SF小説を読むときの心構えを知ることができるかと思ったのがきっかけ。宇宙人とファースト・コンタクトするときに、どのような対話(話ではないかもしれないが)がなされるのか、きっちりと論理を構築しながら、その場を経験したときの学術的な現象が分かる。宇宙人が出てくるようなSF作品(映画も含めて)が好きなら、読んで損はない。また、宇宙人だけではなく、個人的には世代が異なる人々や外国人との接触において、自分がどのように振る舞えば対話ができるかの参考にもなった。本書は哲学の論文なのだろう、読了まで時間がかかった。2019/01/07

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