なぜエピソード記述なのか―「接面」の心理学のために

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  • サイズ A5判/ページ数 259p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130111393
  • NDC分類 140.7
  • Cコード C3011

出版社内容情報

事例研究をエピソード記述という方法論に昇華し、現場の実践で研究の先端で広く支持を集める著者の方法論的集大成。

「行動の変容」が最終目的なのか.障碍の有無にかかわらず,その子がその子として何かになってゆくことに,育てる者が関わること,そしてその関わり(「接面」)を記述し研究することの意味とは何か.事例研究をエピソード記述という方法論に昇華し,現場の実践で,研究の先端で広く支持を集める著者の方法論的集大成.

序章 なぜエピソード記述が必要なのか――行動中心主義から脱却するために
1 はじめに/2 養育や保育や教育の現状を変革しなければという思い/3 看護、介護、医療、社会福祉の現場を覆う行動中心主義、行動変容主義/4 人間諸科学の研究動向への危機感/5 行動中心主義を乗り越えるためのエピソード記述
第1章 私の歩んできた道のりと私の目指す心理学
1 私のこれまで歩んできた道のり/2 私がフィールドの中に入り込む中で考えてきたこと/3 エピソードと意識体験/4 二つのエピソードから前節での議論を振り返る
第2章 意識体験からメタ意味へ――5つのエピソード記述を読み解く
1 意識体験とは/2 ある意識体験からそのメタ意味を認識するまで/3 5つのエピソード記述を読み解く
第3章 私の考える認識の枠組みと行動科学の認識の枠組みとの相違
1 観察者の代替可能性を巡って/2 明証的(エヴィデント)であること/3 素朴な認識の枠組みと、厳密な科学的認識の枠組み/4 本章の簡単なまとめ
第4章 私の目指す心理学のかたち――既発表の私のエピソードと、実践者の書いたエピソードから
1 9カ月乳児とその母親の遊びのエピソードから/2 障碍者通所施設の指導員の書いたエピソード記述から/3 本書全体のまとめに代えて

【著者紹介】
鯨岡 峻
鯨岡 峻:中京大学心理学部教授/京都大学名誉教授

内容説明

その人と私のあいだで生じていること、の心理学へ。実践と研究の重なりを厳しく思考する著者が、養育、保育、教育、看護、介護、障碍者支援などの領域の実践者・研究者におくる、新しい心理学の構想。

目次

序章 なぜエピソード記述なのか:「接面」の心理学のために(養育や保育や教育の現状を変革しなければという思い;看護、介護、医療、社会福祉の現場を覆う行動中心主義、行動変容主義 ほか)
第1章 私の歩んできた道のりと私の目指す心理学(私のこれまで歩んできた道のり;私がフィールドの中に入り込む中で考えてきたこと ほか)
第2章 意識体験からメタ意味へ:五つのエピソード記述を読み解く(意識体験とは;ある意識体験からそのメタ意味を認識するまで ほか)
第3章 私の考える認識の枠組みと行動科学の認識の枠組みとの相違(観察者の代替可能性を巡って;明証的(エヴィデント)であること ほか)
第4章 私の目指す心理学のかたち:既発表の私のエピソードと、実践者の書いたエピソードから(9ヵ月乳児とその母親の遊びのエピソードから;障碍者通所施設の指導員の書いたエピソード記述から ほか)

著者等紹介

鯨岡峻[クジラオカタカシ]
1943年生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了、京都大学博士(文学)。京都大学名誉教授、中京大学心理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中山りの

0
書かれていることはその通りだと思うし、とても大切なことで今まで置き去りにされてきたことでもあると思う。 一方で、研究者自身が悪用、自分の意見や考えにあわせて操作しようとすればいくらでもできてしまうところに危険性がある。 操作しようとする意識がなくても、障害特性や客観的事実としての障害に関する新たな知見を知らないために生じる勘違いがベースになって話が展開してしまう危険性もある。2016/04/18

hideko

0
なかなか難しくて(*^^*)2015/03/05

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