出版社内容情報
フランクフルト学派における芸術とメディアをめぐる思考の軌跡を辿り、そこに伏在するアクチュアリティを解放する。ベンヤミン,アドルノ,クルーゲが対峙した映画や音楽,テレビといったメーディウム.それらはありえたはずの過去と来るべき未来が交錯し,〈救済〉の瞬間が顕現する媒体でもあった.彼らのテクストを内在的に精読することで,そこに孕まれるアクチュアリティを再起動し,〈救済〉の音楽を鳴り響かせる.
序 論 フランクフルト学派のアクチュアリティ
第I部 救済の美学
第1章 「無声映画の革命的優位性」――初期ベンヤミンにおける〈沈黙〉と〈音楽〉
第2章 解体と再生の遊戯――ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」について
第3章 補論1 外来語の救済――初期アドルノにおけるクラウス的な主題をめぐって
第II部 メーディウムとしての芸術作品
第4章 芸術の認識機能――アドルノのシェーンベルク論をめぐって
第5章 破壊と救済のはざまで――アドルノ美学におけるキッチュの位置
第6章 補論2 挑発としての擬態――アドルノ文化産業論再考
第III部 変容する投壜通信
第7章 投壜通信からメディア公共圏へ――アドルノとクルーゲ
第8章 労働のメタモルフォーゼ――ネークト/クルーゲ『歴史と我意』(1981)をめぐって
第9章 マルクス主義の死後の生――クルーゲ『イデオロギー的な古典古代からのニュース』
あとがき
索引
The Medium of Redemption : Benjamin-Adorno-Kluge
Yoshikazu TAKEMINE
竹峰 義和[タケミネ ヨシカズ]
竹峰 義和
竹峰義和:東京大学大学院総合文化研究科准教授
内容説明
“救済”とは、テクストに潜在する、打ち捨てられた過去の事象のアクチュアリティを解放すること。ベンヤミン、アドルノ、クルーゲが描き出す星座的布置の閃光。
目次
序論 フランクフルト学派のアクチュアリティ
第1部 救済の美学(「無声映画の革命的優位性」―初期ベンヤミンにおける“沈黙”と“音楽”;解体と再生の遊戯―ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」について;補論1 外来語の救済―初期アドルノにおけるクラウス的な主題をめぐって)
第2部 メーディウムとしての芸術作品(芸術の認識機能―アドルノのシェーンベルク論をめぐって;破壊と救済のはざまで―アドルノ美学におけるキッチュの位置;補論2 挑発としての擬態―アドルノの文化産業論再考)
第3部 変容する投壜通信(投壜通信からメディア公共圏へ―アドルノとクルーゲ;労働のメタモルフォーゼ―ネークト/クルーゲ『歴史と我意』(一九八一)をめぐって
マルクス主義の死後の生―クルーゲ『イデオロギー的な古典古代からのニュース』)
著者等紹介
竹峰義和[タケミネヨシカズ]
1974年生。東京大学大学院総合文化研究科准教授。ドイツ思想史・映像文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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