内容説明
英語圏の分析哲学、認知科学、テクノロジー論などに対して、ハイデガーの哲学はどのような現代的意義をもつのか。伝統的な形而上学の言語圏からの「破壊」的な離脱と、新しいボキャブラリーの創出による「構築」的な思考―この二つの位相に焦点をあてることで、ハイデガーの存在論を明瞭に描き出す。人間科学と哲学的常識に対するハイデガーの革新性をとらえた一作。
目次
第1部 破壊としての存在論と哲学の新しいボキャブラリー(哲学の新しいボキャブラリーの創出;存在の物語、志向性の物語―『存在と時間』の二つの顔)
第2部 認知科学とテクノロジーとの対話(ハイデガーと認知科学;ハイデガーと表象主義 ほか)
第3部 行為論の革新(知と行為―フッサールとハイデガー;徳(viirtue)のありか―ハイデガーとマクダウエル ほか)
第4部 現代の分析哲学との交錯(ハイデガーと分析哲学;アメリカのハイデガー)