出版社内容情報
新聞・雑誌・講座等に発表された文章から十数篇を精選し、読みやすくまとめたエッセイ集。【解題:高見澤磨・東京大学教授】
仁井田博士が戦後,新聞・雑誌・講座等に折にふれ発表された文章のうちから10数篇を選び,読みやすい形に一冊にまとめる.博士の基本的な物の見方をしめすとともに,深い学殖のにじみ出た好エッセイ集.
【著者紹介】
仁井田 陞
仁井田陞:東京大学名誉教授
内容説明
名著の復刊。学術の精華から流麗なエッセイまで、精選の論集。
目次
1 東洋とは何か(東洋とは何か;真に歴史的なもの;中国古典をどうよむか;孫文;魯迅)
2 新しい中国(新中国観;中国の旅;新中国の法と倫理)
3 法史夜話(法諺;法三章;二十四孝;敦煌発見の奴隷解放文書;中国の絞刑と凌遅処死;『紅楼夢』のなかの庄園の小作と奴隷売買)
4 研究回想(私の処女論文;中国の法と社会と歴史)
5 書評(天のまつりと帝王;中江丑吉『中国古代政治思想』;鈴江言一『孫文伝』;A・スメドレー著、阿部知二訳『偉大なる道』上)
著者等紹介
仁井田陞[ニイダノボル]
1904年仙台市に生まれる。1928年東京大学法学部法律学科卒業。1934年『唐令拾遺』により学士院恩賜賞受賞。1937年法学博士。1942年東京大学教授(東洋文化研究所員)。1964年東京大学名誉教授。1966年朝日賞受賞。1966年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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韓信
1
中国法史学の権威である著者の一般向けの論考、エッセイ、紀行文、書評等を集めた文集。土地改革と結びついた婚姻法の制定を高く評価するなど、新中国成立時の中国にかける期待に時代を感じるが、歴史学を現実社会と接続する姿勢は、研究の細分化とともに研究のための研究となりがちな現代の歴史学より健全だとは思う。漢文が得意で「孟子」とあだ名された高校時代をはじめとする研究生活の回顧録や、凌遅の具体的な方法をとりあげて生々しい「中国の絞刑と凌遅処死」が、個人的には興味深く読めた。2021/11/21
rubeluso
0
氏の学問上の業績が不朽のものであるのは間違いないけれど、ここに収められているいくつかの文章からうかがえのは、やはり時代性というものからは逃れられないのかなあ、という印象。 外国人専門家が見た新中国、すなわち外国人に見せたかった新中国がどんなものであったか、というのは面白かった。 2014/09/07