出版社内容情報
大学出版部協会創立50周年記念シンポジウムの成果がブックレットに。哲学・生態学・地震学の対話から、再生のあり方を探る。
列島沿岸を巨大堤防で覆う?――これまで通りの高度技術をふりかざすだけで,はたして本当に強靭な社会をつくることができるのか.哲学・生態学・地震学による対話を通して,自然と社会を千年の単位で見直し,再生のための知のあり方を探る.大学出版部協会創立50周年記念出版.
第一章「ふるさと」の根源的な力と想像力の可能性(座小田 豊)
被災した者にできること/私の被災体験/私たちが生きていく責任の重さ/求められる「責任の問い」/「死」を切り離すな/他者の苦痛を臓腑で引き受ける/母を喪うということ/「なぜ生きるのか」が自己肯定に繋がる/「生きること」の問いから「生かされてあること」へ/「喪われた者たち」の記憶によってこそ「私」は保持される/「ふるさと」はアイデンティティの源/想像力の拠り所としての「ふるさと」/想像力と「良心」
第二章 森里海の連環から震災と防災を考える(田中 克)
稚魚研究から震災を見る/有明海/被災した三陸沿岸で何が起こっているか/価値観をいかに変えるか/やっぱり海と一緒に生きたい/森里海の負の繋がり/巨大防潮堤/今どう生きるか、何をすべきか/現場の声が世界に届くとき/「ふるさと」はどこへ
第三章 災害社会――本当に強い社会とは(川崎一朗)
地震学者として東日本大震災を思う/1000年スケールで災害リスクを考える/環境問題の原典/歴史学へのオブジェクション/政治学、経済学へのオブジェクション
終 章 「ふるさと」から「ふるさと」へ(座小田 豊)
「私たちはどこから来たのか、どこへ行くのか?」/「ふるさと」を追われて/「ふるさと」から/「自然」の連関としての「ふるさと」/いにしえの「ふるさと」へ/きたるべき「ふるさと」へ
【著者紹介】
座小田 豊
座小田豊:東北大学大学院文学研究科教授
目次
第1章 「ふるさと」の根源的な力と想像力の可能性(被災した者にできること;私の被災体験 ほか)
第2章 森里海の連環から震災と防災を考える(稚魚研究から震災を見る;有明海 ほか)
第3章 災害社会―本当に強い社会とは(地震学者として東日本大震災を思う;一〇〇〇年スケールで災害リスクを考える ほか)
終章 「ふるさと」から「ふるさと」へ―「あとがき」をかねて(「私たちはどこから来たのか、どこへ行くのか?」;「ふるさと」を追われて ほか)
著者等紹介
座小田豊[ザコタユタカ]
東北大学大学院文学研究科教授。1949年福岡県生まれ。弘前大学教養部助教授などを経て、現職
田中克[タナカマサル]
京都大学名誉教授、(公財)国際高等研究所チーフリサーチフェロー、NPO法人森は海の恋人理事。農学博士。1943年滋賀県生まれ。水産庁西海区水産研究所、京都大学大学院農学研究科教授、京都大学フィールド科学教育研究センター教授・センター長等を歴任
川崎一朗[カワサキイチロウ]
京都大学名誉教授。理学博士。1946年大阪府生まれ。富山大学理学部助教授、教授、京都大学防災研究所教授、立命館大学歴史都市防災研究センター特任教授等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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