中公新書ラクレ<br> 私たちはこうして「原発大国」を選んだ―「核」論

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中公新書ラクレ
私たちはこうして「原発大国」を選んだ―「核」論

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  • サイズ 新書判/ページ数 299p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121503879
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C1236

内容説明

豊かさを求めて「原発大国」を選んだ唯一の被爆国・日本。核の傘の下で平和憲法を制定した日本。このねじれを政財官の動き、映画等の文化を題材に検証。2011年論を加え、文庫版に増補。

目次

一九五四年論 水爆映画としてのゴジラ―中曽根康弘と原子力の黎明期
一九五七年論 ウラン爺の伝説―科学と反科学の間で揺らぐ「信頼」
一九六五年論 鉄腕アトムとオッペンハイマー―自分と自分でないものが出会う
一九七〇年論 大阪万博―未来が輝かしかった頃
一九七四年論 電源三法交付金―過疎と過密と原発と
一九八〇年論 清水幾太郎の「転向」―講和、安保、核武装
一九八六年論 高木仁三郎―科学の論理と運動の論理
一九九九年論 JCO臨界事故―原子力的日光の及ばぬ先の孤独な死
二〇〇二年論 ノイマンから遠く離れて

著者等紹介

武田徹[タケダトオル]
1958年生まれ。ジャーナリスト・評論家。恵泉女学園大学人文学部日本語日本文化学科教授。国際基督教大学教養学部を経て、同大学大学院比較文化研究科博士課程修了。メディアと社会の相関領域を主な執筆対象とするとともに、国際基督教大学、東京大学、恵泉女学園大学などでメディア、ジャーナリズム教育に携わってきた。BRC(放送と人権等権利に関する委員会)委員。著書に『流行人類学クロニクル』(日経BP社、1999年、サントリー学芸賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遊々亭おさる

16
福竜丸の被爆を含めると、三度の被爆体験を経験しながらも原発大国として発展してきた日本。『ゴジラ』や『鉄腕アトム』などの文化や政治・経済を通して、日本人の原発に対する感情の変化を論評していく。決定的なターニングポイントとしては、田中角栄の『電源三法交付金』か。様々な要因が複雑に絡み合いながら、多大な矛盾を孕み発展してきた原発政策、単純な原発即廃止の反対論では解決出来ない問題を抱える。最小のリスクを選択し、怪物と上手く付き合う(共生)しか手だてはないのか。それにしても、(正しく怖がる)ことの難しきことよ。2014/01/21

ぐうぐう

14
福島第一原発事故を受けて、加筆修正、そして改題されて刊行された『「核」論』増補版。タイトルだけを読めば、日本がいかに原子力発電を導入し、推進してきたかの流れを追った原発史と思われがちだが、実は違う。『ゴジラ』や『鉄腕アトム』といったサブカルチャーをあえて引用しながら著者が炙り出そうとしているのは、日本人における核をめぐる精神史だ。本書の特筆すべき点は、推進派・反対派、どちらかの側に組するというわかりやすい構図を避け、あくまで中立な立場で原発を語ろうとしているところだろう。(つづく)2011/05/17

もりの

12
いままで自分たちの電力がどのように作られているのか、意識したことがなかった。学校教育で原発のことをもっと教えるべきだと思う。かくいう私も全く原発に関する知識を持ち合わせていないので、この問題について述べることすらできないことを恥ずかしく思う。2016/12/19

安国寺@灯れ松明の火

9
「どんな主義であれ、行き着く先は原理主義」という言葉を思い出します。「○○主義」を突き詰めると、最後は物事がその内容に合致するかどうかがすべてになるという意味です。原発の「安全」も「危険」も、「絶対」の二文字を冠すると一切の歩み寄りが効かなくなるのでしょう。そうした対峙から、局地的に原発が密集する(耐用年数を過ぎた旧式の原子炉も含めて)という最も望ましくない結果が生まれた――「スイシン」も「ハンタイ」も共感できないが、何とか活路を見出そうとしたという著者の言葉が非常に印象的です(続)2011/06/17

元気伊勢子

8
原子力の恩恵を受けて、自分も生活していると思うと軽々しく「原発反対」とは言えない。2021/07/24

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