出版社内容情報
コレラなどの疫病が「感染」するものと認識されてから、たかだか一五〇年ほどにすぎない。だが病気をもたらす不可視の微生物への恐怖と不安は、呪術的思考と絡み合いながら、人と人とのつながりや社会のあり方を一変させた。それは効果的な感染予防の福音を伝えた一方で、ジェノサイドを招く火種ともなった。本書は十九世紀末の「細菌学革命」にまつわる光と影、その後のヨーロッパ世界の激動を、臨場感溢れる多数の図版と共に追う。
内容説明
コレラなどの疫病が「感染」するものと認識されてから、たかだか一五〇年ほどにすぎない。だが病気をもたらす不可視の微生物への恐怖と不安は、呪術的思考と絡み合いながら、人と人とのつながりや社会のあり方を一変させた。それは効果的な感染予防の福音を伝えた一方で、ジェノサイドを招く火種ともなった。本書は十九世紀末の「細菌学革命」にまつわる光と影、その後のヨーロッパ世界の激動を、臨場感溢れる多数の図版と共に追う。
目次
序章 不浄の想像界
第1章 コレラの世紀―細菌学以前の疫病
第2章 細菌学革命―病気観の転換
第3章 「見えざる敵」の乱痴気―革命の代償
第4章 衛生博覧会―啓蒙のスペクタクル
第5章 戦争と感染症―病気を運ぶ兵士の身体
終章 「感染」のホロコースト
著者等紹介
村上宏昭[ムラカミヒロアキ]
1977年山口県生まれ。2009年関西大学大学院文学研究科史学専攻修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、ベルリン自由大学フリードリヒ・マイネッケ研究所招聘研究員を経て、2013年より筑波大学人文社会系助教(専攻・ドイツ現代史)。著書に『世代の歴史社会学―近代ドイツの教養・福祉・戦争』(昭和堂、2012年、日本ドイツ学会奨励賞受賞)ほかがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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