内容説明
文明開化期から村上春樹まで、日本の近代小説史を一冊で案内する。写真図版を多数収録し、著名な作品の本文紹介も充実。最新研究に基づく入門書の決定版。
目次
1 文明開化と「文学」の変容
2 明治中期の小説文体
3 自然主義文学と漱石・鴎外
4 大正文壇の成立
5 マルキシズムとモダニズム
6 第二次世界大戦と文学
7 戦後文学の展開
8 高度経済成長期とポスト・モダン
著者等紹介
安藤宏[アンドウヒロシ]
1958年、東京に生まれる。82年に東京大学を卒業し、85年、同大学院人文科学研究科博士課程に進学。その後東京大学文学部助手、上智大学文学部講師、助教授を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
39
押さえるべきところを明快に押さえてあるという印象を受けた。2016/06/02
しおり
6
文学史は知ってそうで知っていなかった分野。意外と学ぶ機会がなかったなと思い読んでみた。初めて聞いた作家と作品ばかりだった。知ってる人もいたけど歴史の中では潮流を構成する一人に過ぎない。後世まで名が残るのはほんの一握りでどんどん新しい作家が生まれていく。その時代に生きてないと知りえななかった作品とか風潮がきっとあるんだなと思うと切ない気持ちになる。少しでもそこに光を当てるという意味で研究は大切だと思った。教科書っぽさがあって内容はあまり覚えていない。でも何だか流行は流転している気がした。ファッションみたい。2023/08/30
てり
4
詰め込みすぎず、難解すぎず、とてもコンパクトにまとまっていて好感が持てる。さらっと概観したい自分にはピッタリの本だった。満足。2020/03/02
アルゴス
4
『「私」を作る』で感心した安藤宏の近代日本文学史。やはりこの枚数では苦しいところがあるが、分かりやすく近代文学の歴史と、その折々の問題点を指摘する。よくできた本だと思う。もとは放送大学の教材として書かれたものに補足したらしい。2018/01/10
Yuki
4
わかりやすい。しかし、安藤ほどの頭脳を持ってして所謂「現代文学」史は作家と彼らの成した仕事の羅列になってしまっているところに、「現代文学」がいまだ沸騰しているものであることが伺える…のか。2015/02/25