中公新書<br> グリーン・エコノミー―脱原発と温暖化対策の経済学

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中公新書
グリーン・エコノミー―脱原発と温暖化対策の経済学

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  • サイズ 新書判/ページ数 276p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121021151
  • NDC分類 501.6
  • Cコード C1233

内容説明

震災後のいま、原発依存からの脱却、経済の復興と発展、地球温暖化対策が大きな課題となっている。「自然エネルギーは原発の代替にならない」「これ以上の省エネの余地はない」「温暖化対策は経済発展をさまたげる」等の懐疑論もあるが、制約を転じて発展に変える発想が必要である。ドイツやデンマークなど諸外国や国内先進地である北海道の事例を紹介・検証しながら、理想と現実を繋ぐロードマップを提示する。

目次

第1章 東日本大震災の衝撃
第2章 「脱原発」で温暖化対策は可能か
第3章 グリーン・エコノミーと日本再生の課題
第4章 制約なくして革新なし
第5章 環境とエネルギーと雇用の政策統合―ドイツとオーストリアの経験から
第6章 日本の温室効果ガス排出削減戦略
第7章 ポリシー・ミックスの設計―環境税・排出量取引・固定価格買取
終章 グリーン・エコノミーの展望

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

41
日本の環境・エネルギー政策の手堅い概説書。今さら西欧に学べもないだろうが、ドイツはともかくとして、再生可能エネルギー導入の先行国デンマーク(オイルショックに遡る)、地域暖房ネットワークのウィーン(ごみ焼却施設の建築デザインは見事)が取り上げられていることが特徴だろうか。地球温暖化(環境省)とエネルギー(経済産業省)と雇用(厚生労働省)の政策の統合が主張のメイン。各省の政策をざっと知るには便利な本。ただそれ以上のものは見いだせなかった。 2016/05/03

ロッキーのパパ

7
経済と環境保護の両立は可能かという問いに対して、著者は是とする。その際、経済の指標を「よい生き方」と「持続可能性」に力を置くべきだという主張は共感できる。グリーンエコノミーに比較的無関心なUSを見て、グリーンエコノミーは経済競争力を削ぐと産業界の人たちは主張する。しかし、EU、特に日本と近い事情のドイツを見るとグリーンエコノミーは実現可能と思える。もちろん、ハードルはかなり高いけど、戦略を持って取り組めば、まだ間に合いそうだ。2011/08/02

Kentaro

6
そもそも、経済の原義は「経世済民」であり、その目的は、「人々のよい生き方」の実現である。経済成長と経済発展は概念が異なる。我々が目指すべきは「経済発展」である。 環境や社会を意識しない経済成長では経済成長による生産そのものが人類の進歩をもたらすものではない。成熟期に入っている日本の社会経済に一層の高度成長を求めることはアナクロニズムに陥っている。 一方で将来にわたり持続可能性の問題から、自然エネルギーや再生エネルギーの活用など、グリーンエコノミーとして、制約を転じて発展に変える発想を促す内容になっている。2018/10/28

中島直人

5
(図書館)読了。グリーンエコノミーに関する一通りの論点を押さえることはできます。が、いかんせん直近10年の変動が大き過ぎて、ズレが出てしまっている感は否めない。2022/02/12

Sanchai

4
この本は座右に置いて必要に応じて必要な個所を引用するのに使うのがよい。通読するには各章間の関連性が必ずしも良くない。僕自身が参考になったのは「幸福度指数」について書かれた章。あとは今週たまたまドイツ経済研究所の研究員の発表を聴いたので、環境政策とエネルギー政策の両立など、「持続可能な開発」を前面に立てて政策を進めるドイツの一貫した姿勢に感銘を受けつつ本書も読んだ。日本で同じことをやろうとしても、省庁間の縦割りだけでなく、環境とエネルギーと成長を並立しようというのが国民的議論になっていない難しさも痛感する。2015/03/18

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