内容説明
「社会」という語は、どのような意味や役割を担わされてきたのか。十七世紀以降のヨーロッパで、それは初め、統治や富の増大を目的に国家が介入する空間として認識された。後に、貧困・暴力・不衛生など、「社会的な」問題が拡大し、それに対処するための対象となった。社会を複数の要素からなる複合的なものとしたのはスピノザである。人が他者とともにより良き生を築くための場という彼の構想に、社会の可能性を読む。
目次
はじめに
第1章 社会の発明―ホッブズ、スピノザ、ルソー
第2章 社会の発見―統治性と社会問題の出現
第3章 社会の科学の成立―社会主義と社会学
第4章 社会と文化―文化の名による排除から社会統合へ
第5章 社会と共同体―複数性の社会へ
むすび―多にして一を生きる
著者等紹介
竹沢尚一郎[タケザワショウイチロウ]
1951年、福井県生まれ。国立民族学博物館教授。1976年、東京大学文学部卒業。1985年、フランス社会科学高等研究院社会人類学科博士課程修了(民族学博士)。日本学術振興会特別研究員、九州大学文学部助教授、九州大学教授等を経て、現職。社会人類学、宗教学、西アフリカ史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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