中公新書<br> 続・東北―異境と原境のあいだ

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中公新書
続・東北―異境と原境のあいだ

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  • サイズ 新書判/ページ数 244p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018892
  • NDC分類 212
  • Cコード C1221

出版社内容情報

「後進性」からの脱却を目指し、国際化を目指した様々な議論や政策を検証し、東北の原風景とダイナミックな変貌を浮彫りにする。

内容説明

「遅れた東北」観は、どのように生まれ、どう変転を遂げたのか。本書は、史料を博捜して、大正から戦後にかけての、「後進性」脱却と国際化を指向した議論や政策を分析し、文学作品や学術書に描かれた東北像を検証する。戦時体制に組み込まれ、いつしか「異境」から「原境」へとイメージを移行する東北・戦後史学の「地域モデル論」が捉えきれなかった東北史のダイナミクスを照射し、日本史像のラディカルな転換をめざす。

目次

はじめに 「二色の分子」から多色の分子へ
第1章 東北史と世界史
第2章 凶作と希望
第3章 飢饉と絶望
第4章 日本海開放と雪国解放
第5章 描写と主張
第6章 原境と拠点
終章 「深日本」としての東北

著者等紹介

河西英通[カワニシヒデミチ]
1953年(昭和28年)、北海道に生まれる。弘前大学卒業。立命館大学大学院文学研究科修士課程日本史専攻修了。北海道大学大学院文学研究科日本史専攻後期単位取得満期退学。上越教育大学学校教育学部助教授。2007年4月より広島大学大学院文学研究科教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tsubomi

10
2016.09.10-09.14:大正から戦後までの東北の社会情勢を史料を使ってまとめたもの。日本が国家総動員で戦争へ突き進んでいく過程で東北がいかにそれに対処し、価値観を変容させたのかという流れがわかりやすいです。戦争中に恐ろしいまでに自信過剰に愛郷心を爆発させた東北。戦争の前後では反対に飢饉と貧困で萎縮して卑屈になっている印象。自己認識の危機に陥ってマイナス思考ループに入っている感じ。今の私たちは逆にエミシの末裔であるのを誇りとし、バイリンガルであることに優越感を持っている程だから興味深い内容でした。2016/09/14

本命@ふまにたす

3
主に近代日本における東北の捉えられ方について論じた一冊。昭和戦前期を中心に、知識人の言説や活動などについて取り上げ論じられている。その意味で、射程はやや限定的か。2023/02/19

Jムーン

1
大正から昭和の1920〜1930年代の東北、といっても青森県の人による「アイヌ史」についての認識がたびたび書かれ、「アイヌ史の自覚」があったようなことが述べられているが、本当にそんな自覚があったのだろうか?その自覚すら、そう思わされていただけではなかろうか?『続・東北』を読んでも、東北にアイヌの歴史があったような具体的な指摘はない。2019/02/01

てれまこし

0
「日本」の異境であり辺境である「東北」。本書では、さらに柳田国男流の「原境」イメージがとりあげられる。つまり、東北にこそ日本本来の姿があるという見方である。「日本人ならみーんな同じ」というフラット化された日本人像になれた今の我々だから、かつて東北人を理不尽に悩ませた偏見に外国人にように接することができる。でも、福島原発でも沖縄基地問題でも明らかになったように、知らないことは偏見から自由であるということでもないらしい。サベツは忘却によってしか解消しないと柳田は言ったが、忘れるだけでもダメらしい。2017/10/10

miharasi_mamiya

0
大正から戦後にかけての資料に基づいて東北がどう語られていたか。大量の資料が引用されていて驚いた。東北の米の凶作について農業政策の問題が原因であったことなどが興味深かった。2011/10/25

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