出版社内容情報
あなたの爆弾は何ですか?――同性への欲望から母と息子の倒錯関係まで、女たちのままならない日常と情熱が炸裂する連作短篇集。
朝比奈 あすか[アサヒナアスカ]
著・文・その他
内容説明
生きづらさも涙も、明日の力こぶに変わる。はち切れそうな女たちの不器用な愛。全六篇収録。
著者等紹介
朝比奈あすか[アサヒナアスカ]
1976年生まれ。2000年、大泊母の戦争体験を記録したノンフィクション『光さす故郷へ』を発表。06年「憂鬱なハスビーン」で群像新人文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
102
チラシの裏とかノートとか、紙に気持ちを書き殴るとすっきりする。溢れはみ出す感情に手が追いつかず、自分にしか読めないような汚ったない字になって。支離滅裂に繰り返す言葉でめちゃくちゃな上に、着地点を完全に見失った文。だいたいは手の方が先に根をあげ、書き殴りは終わる。逆に、文章をきちんと整えようとすると書けなかったりするから不思議なものだ。それはきっと、無意識に自分に見栄をはっているから。自分でも整理できていない剥き出しの心と向き合うのは、とても難しいことなのだ。感情という爆弾を持て余す女達の、多種多様な物語。2018/05/20
ででんでん
96
朝比奈さんの本であることと、タイトルとカバーイラストと…いろんな要素でとても期待値を上げて読み始めた。合間合間にとぎれとぎれに読んだこともあり、全体としてはいまひとつ楽しめなかった。「官能小説家の一日」はよかった。たいちゃんはかわいく、語り手である母ちゃんが気持ちよい。「戦うなと彼らは言った」は、後半になるにつれ、本ってどういうものなのか、特に不安定な時を生きる若い世代にとって…というメッセージが伝わってくる、私にとってはキラリと輝く作品だった。最後のページはじんと来た。2018/06/22
fwhd8325
93
誰でもどこかに爆弾を抱えているってことなのかな。あまり爆弾らしくなかった「初恋」が、作品の中では一番わかりやすかったかな。作品の空気も違うものだし、それぞれの短編が楽しめるのだけど、私には、少しざわざわ感が違っていたようでした。独自の世界かを持った作家さんのようなので、ほかの作品も読んでみたいと思います。2018/10/06
うどん
92
面白かった!特に「官能小説家の一日」。笑っちゃいました🤣2018/06/05
えりこんぐ
67
女性作家しばりの6つの短編。ホラーテイスト、和むもの、いろいろ混ざってるけど連作短編ではないよね? シングルマザーの官能小説家が面白くて自分も頑張ろうって思った。全体的に、普段の朝比奈さんを期待して読むとパンチ弱め。2018/05/19