新潮新書<br> 原発賠償の行方

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原発賠償の行方

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106104435
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0232

内容説明

法律も枠組みも決まったから賠償は粛々と進行する…なんて思ったら大間違い。福島第一原発事故の賠償は、建国以来最大の法律問題であり、そう簡単に事は進まない。今後、全国民にツケが回されること必至。外国からの賠償請求額は想像もつかない。なぜこんなことになったのか。法律無視の政府と安全神話を盲信した専門家の責任を厳しく糾し、採るべき道を探る。法律家の目で論点を冷静に整理、検討した独自の論考。

目次

第1章 日本最大の法律問題が登場した
第2章 損害とは何か
第3章 東京電力は「有罪」確定か
第4章 法律的検討をする
第5章 賠償の実際を考える
第6章 福島の教訓を考える

著者等紹介

井上薫[イノウエカオル]
1954(昭和29)年東京都生まれ。東京大学理学部化学科卒、同修士課程修了。司法試験合格後、判事補を経て96年判事任官。2006年退官し、07年弁護士登録(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mitei

231
結局現在のところどうなったのか知りたいのでまた調べたいが、被害者が可哀想に泣き寝入りするしかない程度の補償しか出ないんだろうなと思うと無念。何も想定してなかったことが正しいとされるのはなんとかならないかなと思う。2020/12/01

James Hayashi

28
判事→弁護士、11年著。福島第一原発のケースを当てはめているが、賠償を求めるのに法的根拠が必要。このミューチュアルに難しい問題、難しい用語を懇切丁寧に説明され分かりやすい。原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)というものがあるが、個別のケースを裁判に当てていけば、被害者数の関係、証拠の確定、賠償額などで数十年はかかるだろう。またアメとムチにより交付金を受け取ってきた地元の人たちにも、過失相殺という考えが当てはまり問題は深い。賠償問題をメインに扱っているが、事故後に取った政府のいくつかの権限も取り上げ →2020/03/17

calaf

14
基本的には単一民族国家である日本は、善悪は別として法律を無視したような「義理」や「人情」を重んじる問題解決を得意としているものの、この問題に関してはこれだけでそう簡単にはおさまりそうには思えません。その点、法律というのは、こちらも善悪は別としてある意味平等。日本は少なくとも法治国家だと自他ともに認めているので、こちらの方面からも考えるべきですね。そしてそう考えると、政府(内閣)は無茶なことをやりまくっていますねぇ...2011/12/26

リキヨシオ

13
原発事故の賠償を法律で述べられて興味深かった。「原発は安全だ」という安全神話を前提にした国の原発推進。神話の崩壊に関する議論は「あってはならない議論」「する必要のない議論」と蔑ろにされ、万が一の原発事故に関する法律「原賠法」も原発を置く事を目的としていたので、今回の福島原発事故に対して法律は機能していない。今回の賠償金は少なくとも100兆円(復興予算とは別)を超えるといわれる…諸外国からの賠償額も加味するととても東電だけでは賠償しきれない…その前に1つ1つに法的根拠すらはっきりしない…どうなるのやら不安!2015/01/09

Humbaba

13
賠償を行うためには,その根拠となる法律が必要である.原発に対しては,いくつかの超法規的措置がなされているが,そのようなことは法治国家においておこなって良いものではない.確かに賠償は重要な問題である.しかし,全ては法律に従ってなされなければ,結果的により深い問題を引き起こすことになる.2012/02/24

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