新潮新書<br> さらば脳ブーム

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新潮新書
さらば脳ブーム

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  • サイズ 新書判/ページ数 191p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106103964
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0247

内容説明

世界的に大ヒットしたゲームのアイコンとなったことで、「脳トレの川島教授」は一人歩きを始めた。日本の街中に顔があふれただけでなく、スペインの地下鉄のポスターや、イタリアのテレビCMにまで登場。そのうえ研究者たちからは「科学的じゃない」との批判が始まり、果ては税務調査までやってくる始末…。「基礎科学研究の社会還元」とは何か。「脳ブーム」の功罪とは。渦中にいた当事者が初めて沈黙を破った手記。

目次

第1章 「うかつに野に下ることなかれ」
第2章 ファミコンするより公文しろ!
第3章 学習療法を完成させる
第4章 出すぎた杭でもやはり打たれる
第5章 ニンテンドーDS「脳トレ」狂想曲
第6章 産学連携の難しさ
第7章 さらば脳ブーム

著者等紹介

川島隆太[カワシマリュウタ]
1959(昭和34)年千葉県生まれ。医学博士。東北大学加齢医学研究所教授。東北大学医学部卒。スウェーデン・カロリンスカ研究所研究員などを経て、2001年より東北大学教授。ニンテンドーDS「脳トレ」シリーズ監修者。専門は脳機能イメージング研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぴーまん

5
脳トレブームを巻き起こした川島先生、その裏では、謂れも無いマスコミを通じた批判がある、現在のマスコミは面白おかしく、ターゲットを見つけて攻撃するというどうでもいい存在になってしまっている、本書についてはその反論と少しの後悔が書かれている、もう少し脳トレ的な要素を期待していたが、全くなかったので、また別の著作に期待したい。朝食、運動、脳トレ、読書(音読)は意識したいと思った。2014/11/03

yuka_tetsuya

5
脳トレブームの当事者からのこのブームの成り立ちと問題点などを実直に伝えてくれている。脳科学の成果を社会に展開したという点では評価されるべきである。しかし日本の社会にありがちな、ありとあらゆる所からのバッシングを受けたが、その反論を時に感情的に表出していて、当事者しかわからない思いがストレートに伝わってきた。爆発的ブームの後にのこる、小さなやけぼっくりが静かに周辺に暖かさを分け与えるときに脳ブームが定着したと言える。最後の方に茂木さんについて書いているところは、同意できる。2011/05/31

くーぱー

5
さらば「脳ブーム」とあるのは、「脳トレ」ゲームで一躍有名人になってしまった筆者が、いわれなき批判に晒され忸怩たる思いと、一時の浮わついたブームに終らず脳科学の成果が着実に社会に役立つことを願っての切なる思いの表れだと思う。この本を読むと「脳トレの川島教授」だけでない、基礎科学研究者としての普段の姿が分かる。それにしても「脳トレ」ゲームを批判した同業者に対する反論や、TVでよくみる某自称脳科学者に対する批判のなんと激烈なことか。学者ならではの執拗な攻撃力は、敵に回したくないと思わされる。2010/12/17

TSUBASA

5
ニンテンドーDSの脳トレソフトで一躍有名になった東北大学の川島教授。しかし基礎科学者からは自分の意図とは異なった批判を浴びることになる。そんな川島教授の恨みやら後悔やらが綴られるとともに、脳科学の現場がどのような実験を行っているかを語ってくれる。基礎科学研究を社会に還元しようという川島教授の心意気が伝わってくる。確かに川島教授の言う通り、人々が幸福を感じるなら細かい理論は無意味なんだけど、一歩手順を間違えるとただの詐欺師と同じになってしまう。この手のヒトを扱う産学連携は本当にむつかしい。2010/11/23

斑入り山吹

4
脳に興味はある。5年ほど前どの本を買おうか?と本屋を見回したとき、NHKのムック本『この人この世界』2006年2・3月号が川島氏だったのでそれを買った。他の本よりも安いし内容もまとまっているし川島氏に対する印象もよかった。特に社会に還元する意志、命は連綿と繋がれているかけがえのないものだ、あなたも繋がなければならないというメッセージ、感動した。そしてその後の芸脳人の台頭。ヤレヤレ。だから川島氏がこのような本を出して、わたしは納得したわけだ。学者である前に感情豊かな人間なんですね。結構面白く読んでしまった。2011/08/24

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