新潮選書
手妻のはなし―失われた日本の奇術

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  • サイズ B6判/ページ数 359p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036477
  • NDC分類 779.3
  • Cコード C0376

出版社内容情報

「瀧の白糸」「縄抜け」「胡蝶の舞」「呑馬術」……日本には古来、奈良期の散楽を祖とする独自のマジックがあった! 唯一の継承者が語る伝統文化史。

内容説明

手妻、それは日本人が考え、独自に完成させたマジックのこと―古くは奈良平安期の散楽、猿楽に遡り、その後、大道芸として発展、江戸期に娯楽見世物となり大成した大衆芸能である。「水芸」「浮かれの蝶」「呑馬術」など精緻を極めるトリックの数々―時代の変遷と共に奇術としての芸はどのように進化していったか、また日本人はエンターテイメントとして何を求めてきたのか…唯一の継承者がその発展、消長を振り返る。

目次

第1部 呪術・宗教と娯楽の狭間―古代~平安、鎌倉、室町時代(散楽以前の幻戯―卑弥呼の鬼道から修験道まで;散楽―奈良時代の国立雑技団;阿倍清明―科学としての陰陽道;放下―布教がいつしか大興行へ)
第2部 日本独自の民衆芸の誕生―江戸時代初期~中期(三人のスターたち―古の伝内、都右近、塩屋長次郎;手妻の誕生―娯楽芸としての発展;からくり人形―傀儡師の系譜;伝授本―元禄期、庶民生活の底力)
第3部 芸の質から興行形式まで、工夫と円熟―江戸時代後期(小屋掛けと寄席の進出―華やかなりし文化文政の手妻興行;柳川一蝶斎と「蝶」―単純芸を作り変えた画期的発想;手妻の傑作「水芸」―究極のイリュージョンに)
第4部 世界に名を轟かせた絶頂期―明治時代(松旭斎天一の登場―頂点を極めた男;パリの万国博覧会―世界に羽ばたく蝶の芸;江戸期からの脱却と新たなる波―日本文化の否定)
第5部 失われゆく過程―大正、昭和、そして現代(一世を風靡した娘太夫、天勝―美貌のネタッ子;蝶のその後―そして昭和の手妻師たち)

著者等紹介

藤山新太郎[フジヤマシンタロウ]
1954年東京大田区生まれ。プロマジシャン。(社)日本奇術協会副会長。伝統的な日本奇術「手妻」の継承者。88年、94年に文化庁芸術賞、98年に文化庁芸術祭大賞を受賞。海外でも、マジックオブザイヤー・ビジティングマジシャンに二度選ばれている。お囃子に紋付袴で舞台に立ち、「水芸」「浮かれの蝶」などの古典奇術の多くを得意とする。日本に来訪する賓客の前でひんぱんに手妻を披露したり、海外公演を数多くこなしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蘇芳

3
呪術的な古代の技から江戸、明治、衰退する現代までを膨大な資料でまとめられた良書。見世物といってもかなりの枝分かれがみられ、手妻だけでなく古典舞踊にも触れている。後半の水芸、蝶の発展話は動画もみるとわかりやすい。2013/08/07

maru

1
予想以上に読みやすい内容でおもしろかった。手妻師本人が見聞きしたことなども興味深い。いつか蝶の芸が見てみたい。2019/03/21

amabiko

1
日本の手品の歴史を通覧できる。『見世物研究』に負うところ大らしい。実演者ならではの演目の解説が興味深い。2011/04/21

Hachi_bee

0
http://www.wazuma.jp 手妻というものがなんであるか。どういう歴史があるのか。読みやすくわかりやすく解説されていました。著者の手妻への愛も感じました。TEDxで @tezumashi さんの蝶を生で見られたのは幸せでした。2014/09/07

hrn

0
手妻も散楽(猿楽)の一部だったということ。水芸とか蝶の芸、一度は見てみたいかも。2010/05/29

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