鏡じかけの夢

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  • サイズ B6判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103518419
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

願いを叶えると噂される一枚の鏡。持ち主に訪れる愛憎に塗れた運命の行く末とは。戦前から終戦直後を舞台に、死と快楽が彩る連作集。羨望と嫉妬、禁忌の愛――。快楽の果てに、その鏡は奈落の闇を映し出す。ヴェネツィアから流れ着いた一枚の鏡。その鏡は磨いた者の願いを叶えると噂されていた。脳病院に身を置く「奥様」と看護婦、昔気質な鏡研ぎ職人と美青年、人気舞台女優と財界の黒幕。鏡に魅入られた人々に訪れる、愛憎に塗れた運命の行く末とは――。戦前から終戦直後を舞台に、著者史上、最も残酷で甘美なる連作短編集。

秋吉 理香子[アキヨシ リカコ]
著・文・その他

内容説明

ヴェネツィアから流れ着いた一枚の鏡。その鏡は持ち主の願いを現実のものにすると言い伝えられていた。脳病院に身を置く奥様と看護婦、昔気質な鏡研ぎ職人と美青年、人気舞台女優と財界の黒幕。禁断の鏡に魅入られた人々に訪れる、運命の行く末とは。戦前から終戦直後を舞台に、狂瀾の愛憎劇が幕を開ける。トラウマ絶対不可避。残酷で甘美なる連作短編集。

著者等紹介

秋吉理香子[アキヨシリカコ]
早稲田大学第一文学部卒業。カリフォルニア州にあるロヨラ・メリーマウント大学大学院にて、映画・TV番組制作修士号取得。2008年に「雪の花」で第3回Yahoo!JAPAN文学賞を受賞。09年に受賞作を含む短編集『雪の花』にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

361
秋吉理香子は、新作中心に読んでいる作家です。魔鏡を巡る連作短編集、一気読みしました。時代設定や内容から、初期の江戸川乱歩を想い出しました。30年程前に行ったベネツィアをカーニバルの頃に再訪したいなぁ。2018/06/13

takaC

227
先週のチコちゃんで「鏡は上下が逆にならないのに左右逆に見えるのはなぜか?理由は分からない」とやっていた(そもそも左右逆という捉え方に問題ありだと思うけど)が、鏡はもっと奥深いものだということがわかる連作短編集。2018/10/21

いつでも母さん

224
人間の『欲』という願いはなんと限りのないことか。人が人であるのはその『欲』のみで仕分けされるのだとでもいうのだろうかー秋吉さんがこの作品で描く「あれが欲しい」「あんな人になりたい」・・その為にはなんでもするのーその鏡は人の心の奥底を見せつけてくれるのだ。肉親だとて例外は無い。連作短編5話。このバッドエンドは本当にバッドエンドだろうか?そんな鏡が目の前にあったなら、あなたは何を見ますか?2018/06/19

おしゃべりメガネ

193
さすがは秋吉さん、見事なヒヤヒヤ短編ミステリーを届けてくれました。とある’不思議な鏡’がもたらす、様々な幸福と悲劇を圧倒的な心理描写で読者のココロを鷲掴みにしてくれます。イヤミス感満載な作品ですが、なかにはちょっとホロりとする話も。短編とはいえ、時系列でしっかりと話が繋がっていく展開も読む側を飽きさせず、素晴らしかったです。ひとつひとつの話がそれほど長くはなく、コンパクトにまとめられているので読みやすさも抜群です。人がココロに秘める様々な’欲望’は時に周囲に、そして何より自分にも災いをもたらすんですね。2018/07/01

🐾Yoko Omoto🐾

182
時代は昭和前期、欲を押さえられぬ人々の手から手へと流れてゆく1枚の鏡。磨けば願いが叶うというその鏡がもたらす結末とは…。この類いの物語に既視感を覚えゾッとするのは、努力や代償無くして都合よく願い事が叶う訳などないと頭ではわかっていながら、ついぞ夢想してしまう愚かな思いを自分も心のどこかに持ち合わせているからかも知れない。だがきっと鏡に魔力があるのではなく、周りが見えなくなるほどの強い念が魔そのものを生み出すのではないだろうか。名作「悪魔の花嫁」を彷彿とさせる磐石のストーリーテラーぶりは五編とも見事だった。2018/08/05

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