数学する人生

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103398912
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

未公表、晩年の大学講義を初収録! 気鋭の独立研究者、森田真生による編集と解説で、孤高の天才数学者・岡潔を炙り出す珠玉の選集。

未刊行、晩年の「最終講義」を初収録! 今だから読むべき偉人の言葉とは。デビュー作『数学する身体』が話題の若き独立研究者、森田真生による編集と渾身の解説で、農耕と研究に明け暮れた孤高の天才数学者・岡潔の魅力を炙り出す。岡の名随筆に加え、食エッセイ、日記、写真、そして岡夫人による文化勲章騒動記も収録。その素顔とともに、数学の枠にとどまらない、人間の本質に迫る思考に触れる、珠玉の選集。いまだからこそ、読みたい。

内容説明

気鋭の独立研究者、森田真生による編集と解説で孤高の天才数学者・岡潔を炙り出す珠玉の選集。

目次

1 最終講義(懐かしさと喜びの自然学)
2 学んだ日々(私の歩んだ道;ラテン文化とともに;中谷治宇二郎君の思い出)
3 情緒とはなにか(絵画;こころ;情緒;いのち;宗教について)
4 数学と人生(世間と交渉を持たない;勝手気まま食;文化勲章騒動記―“岡ミチ(岡潔夫人)”
週間日記
ピカソと無明
生きるということ
都市計画)

著者等紹介

岡潔[オカキヨシ]
1901年、大阪市生まれ。1922年に京都帝国大学物理学科入学、数学科に転科し、同大を卒業。1929年にフランスに留学し、帰国後、広島文理科大学助教授に。職を辞してからは、独自の数学研究に没入し「多変数解析関数論」の分野における難題を解決した。その功績は大きく、世界的な数学者として認識されている。1949年、奈良女子大学教授に就任。定年退職後、1969年に京都産業大学教授に就任し、最晩年まで教壇に立った。1960年、文化勲章受章。1963年、毎日出版文化賞受賞。1973年、勲一等瑞宝章受章。1978年没

森田真生[モリタマサオ]
1985年、東京都生まれ。独立研究者。東京大学理学部数学科を卒業後、独立。現在は京都に拠点を構え、在野で研究活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐっちー

20
人は大宇宙という一本の木の、1枚の葉のようなもの。宇宙という一本の木の1枚の葉であるということをやめたらただちに葉は枯れてしまう・・・。ユグドラシルを彷彿とさせる壮大な言葉に飲まれた。数学という方法で心を表現し、情緒という概念で人間の通奏低音を指し示してくれた。初めて触れた岡潔の思想は難しい部分もあるけど不思議と心地よく、人間の温かさがあった。折を見てまた読み返したい。2016/05/31

hnzwd

19
数学界に多大な功績を残し、文化勲章も受賞している数学者 岡潔。数学者ながら情緒とか少し変わった考え方を持っている方、という印象でしたが、本書を読んで考えが大きく変わりました。情緒とはどういうものなのか、ということがきちんと定義されているから他者に対して言語化して説明できるのでしょう。自分自身もこうありたいものですが、、大変だろうなあ。。2022/07/11

trazom

17
岡潔先生の京都産大の最終講義、パリでの日々、「情緒」についての論考など、生前に書かれたものが纏められている。断片的な文章の収集だから、先生の思想の全貌が分かりにくくなっている気がするが、それでも、文章の端々で、この異能の学者の深い思索に出会う。「情的に分かる」という感覚は先生らしい。分からないものに関心を集めている時には、既に、情的には分かっている。発見するとは、情的に分かっているものが知的にわかることだとする。西洋的な物質的価値観へのアンチテーゼとして先生が求めた東洋的・日本的なものを知ることができる。2016/04/29

ミッチ

14
以前から破天荒な方とは知っていましたが…… この作品を読んで、思った以上な方だと知りました。今、話題の熊谷守一と同等な方です。 岡先生は文化勲章をもらい、熊谷さんは拒否したその違いはありますけど……2018/05/16

makio37

9
読了した今も岡の言う「情緒」が私には理解できない。しかし、理性で解らなくとも、読者に少しでも「体得」してほしいという編集者の思いは伝わってくる。「人というのは、大宇宙という一本の木の、一枚の葉のようなもの」という言葉が印象に残る。幸福とか生き甲斐は「生きている木から枝を伝わって葉に来る樹液のうちに含まれている」のであり、関心の集め方により「自分」は葉であるとともに木でもあるのだとも。木から来るものを断ち"自分=葉"とする個人主義に染まった頭を柔らかくしてくれる。2016/05/08

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