守教〈下〉

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  • サイズ 46判/ページ数 339p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103314240
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

開国まで隠れ続けたキリシタンの村。信じている、とつぶやくことさえできなかった人間たちの魂の叫びがここに甦る。慟哭の歴史巨編!

内容説明

教えを棄てた。そう偽り、信念を曲げず、隠れ続けたキリシタンたち。密告の恐怖。眼前でおこなわれる残虐な処刑。なんのために、信じているのか?そう迷うこともあった。だが。九州のその村には、おびえながらも江戸時代が終わるまで決して逃げなかった者たちがいた。隠れ、そして信じ続けた者たちがいた。いままで誰も描きえなかった美しく尊い魂の記録。慟哭の隠れキリシタン秘史。

著者等紹介

帚木蓬生[ハハキギホウセイ]
1947年、福岡県生れ。東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。2年で退職し、九州大学医学部に学ぶ。現在は精神科医。1993年『三たびの海峡』で吉川英治文学新人賞、1995年『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、1997年『逃亡』で柴田錬三郎賞、2010年『水神』で新田次郎文学賞、2011年『ソルハ』で小学館児童出版文化賞、2012年『蝿の帝国―軍医たちの黙示録』『蛍の航跡―軍医たちの黙示録』の二部作で日本医療小説大賞、2013年『日御子』で歴史時代作家クラブ賞作品賞をそれぞれ受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

120
信仰とは・・「人間には命より大切なものがあるとです」どれだけの人がそう言い切れるだろうー亡父から受け継いだ十の戒律。その全てに肯けるのに、世界中にある沢山の宗教とどれだけの違いがあるというのか。あの頃『禁止令』がなければ今の日本は違う国になっていたのかい?あまりにも多くの『血』を流している他国の宗教対立を傍観する口幅ったい自分に気づかされる。先に読んだ『沈黙』とだぶるが、信じるものがあるという事はこれほど人間を強くさせるのだなぁと、ただただ感じ入る読書だった。2017/10/30

しいたけ

100
キリスト教迫害の長すぎる歴史。彼方此方に顔を出す拷問描写に腰が引けての読書になった。小さきイエスの存在の神々しさ。拷問を行う者との対比に、矛盾だらけの人の世を思う。2018/04/10

のぶ

74
下巻に入り時代は江戸時代に移っていたが、キリシタンに対しての弾圧は激しさを増し、読んでいるだけで苦しくなるような場面が続く。自分は遠藤周作原作の映画「沈黙-サイレンス-」を観ていたのであの時と記憶が蘇ってきた。自分は特定の信仰を持たないので、これほどまでに強い信仰心を持つ人たちに対して理解が薄いのかもしれないが、信仰を捨てない人間の強さには心を打たれた。物語は最後、江戸が終わり明治に入る所までを描いているが、守教というものに対してのクロニクルとも読む事ができる秀作だと思う。2018/05/20

のんき

71
隠れキリシタンたちへの拷問は、ほんとにひどかったです。そこまでやるかって感じです。多くの命が失われました。弾圧が厳しくなります。それでも、棄教せず身を守ります。殉教しないで、隠れて、信仰して生きるということはすごいことだな。それが明治の初めごろまで何代も続けるなんて。隠れキリシタンの生き方に感動しました2018/05/13

それいゆ

61
福者として列福されたペトロ岐部、中浦ジュリアン、そして高山右近。この3人の宣教、殉教の記録だけでも十分読む価値のある内容でした。私たちの住んでいる小豆島に係わりのある高山右近とオルガンチノの潜伏、島原の乱も分かりやすく詳細に描かれています。1月に観た映画「沈黙」と同じ世界がこの「守教」の中に描かれていました。200年以上も密かに受け継がれてきた隠れキリシタンの信仰の秘史は、読了後しばらくは呆然として動けませんでした。2017/10/20

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