新潮文庫
語り女たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 250p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101373300
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

海辺の街に小部屋を借りて、潮騒の響く窓辺に寝椅子を引き寄せ横になり、訪れた女の話を聞く―さまざまな女が男に自分の体験を語り始める。緑の虫を飲みこんだという女、不眠症の画家の展覧会での出来事、詩集で結ばれた熱い恋心、「ラスク様」がいた教室の風景。水虎の一族との恋愛…微熱をはらんだその声に聴きいるうちに、からだごと異空間へ運ばれてしまう、色とりどりの17話。

著者等紹介

北村薫[キタムラカオル]
1949(昭和24)年、埼玉県生れ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、’89(平成元)年「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。’93年から執筆に専念。読書家、本格推理ファンとして、評論、アンソロジーにも腕をふるっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

97
十七人の女性が語る物語集である。 彼女たちが語るお話はどこか不可思議で、 謎の余韻を含む。本の合間に 挿入される 絵が印象的で 効果的に 異次元の 雰囲気を醸し出す。 各編とも短く ショートショートを 読むようで なぜか懐かしい。2023/04/07

あじ

47
空想癖のあるあなたと私にしか届かない、語り女(め)たちが運ぶおとぎ話。かりそめの意識下に浮かぶ夢見心地。言葉の香が密かに薫る。★3.2/52018/04/09

ダイ@2019.11.2~一時休止

38
ショートショート集。緑の虫・笑顔なんかが良かった2014/06/24

エドワード

37
海辺の小部屋を借りた男が、訪れる<語り女たち>から不思議な話を聞く。竹林で口をきくと竹になってしまう。夫が妻そっくりの人形を造る。前世は梅の木だった女。ラスクや手品のノスタルジー。先に読んだ川上弘美さんの奇譚集に似ているが、北村薫さんは言葉に興味を注いでいる。朝飯前・今更・海鳴り・笑顔。「眠れる森の美女」の修飾関係は私も気になっていたよ。そして、音。潮騒とボサノヴァ。「音は響く空間にいる人に届くもの。」という歌手の言葉に共感する。謡口早苗さんの幻想的なイラストがこの作品に欠かせない効果を与えている。2022/12/15

kishikan

36
多くの人には読まれていないみたいですが、北村ファンの私としては「さすが北村さん!」と叫びたくなる数珠(17編)の話でした。小説新潮の読み切り連載なので極々短い物語。内容は、金持ちのボンボンが、本を読むより実際の体験談を聞いた方が面白かろうと、語り女を募集しお話を聞くという設定。現実にはありえない話ばかりですが、アラビアンナイトのようでもあり、童話、ファンタジー、ホラーみたいなものまで。僕もいくつか好みの話があるけれど、きっと誰もが何編かお気に入りの話があるでしょう。本当に語りで聞くのが良いかもしれないな。2012/02/23

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