新潮文庫
異国の迷路

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 181p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101323282
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0195

内容説明

ここはどこ?たよりないひとり歩きで道に迷ったときの恐怖。日常の裂け目に落ちこんでこぼれ出た無意識の悪意。ニューヨーク・イスタンブール・メキシコ・トリエステ…国境を越えた場所に踏み入ったとき、気づけばそこに、見知らぬ自分がいた。囚われた異界で、男と女に何かが起こる―人の心に潜むあやしい感情を呼び覚まし、遙かな異国へと連れ去る13編のショート・ホラー。

著者等紹介

坂東眞砂子[バンドウマサコ]
高知県生れ。奈良女子大学住居学科卒業後、ミラノで建築とデザインを学ぶ。帰国後、児童小説を書き始め、四冊の童話を刊行。1993(平成5)年『死国』を発表。以降、日本人の土俗的感性に密着した伝奇小説を相次いで発表する。’96年、『桜雨』で島清恋愛文学賞、翌年に『山妣』で直木賞、『曼荼羅道』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

365
まだ無名時代の坂東眞砂子さんが自ら企画を持ち込み、「るるぶ」に連載された12の異国を舞台に展開する掌編小説集。アカプルコに始まってニューヨークで終幕を迎える。その間はパリやトリエステ、カトマンドゥ、など、いずれも作家本人が行ったところが描かれる。まさに旅する作家坂東眞砂子さんの本領発揮といったところ。1篇のページ数が少ないために重厚とはいえないが、いずれもその街固有の温度や匂いといった微妙な空気感を巧みに伝えている。語り口もまた実に鮮やかなもの。軽いホラーといえばそうだが、なかなかに味わい深い作品集だ。2019/05/07

メタボン

29
☆☆☆☆ 作家デビュー前にるるぶに連載された旅とホラーの融合という異色な作品集。タブーを犯して恐ろしい結末に至るという作品が多い。一つ一つ世界観が完結していて読みやすい。死者の眠る土地に液体をこぼすと呪われる、ダイビングの水中でライトを充てると口吻が鋭い魚に襲われる、呪われた黒い靴、極楽の味の果物を食べその種に導かれ土に戻る、古時計の針を曲げると中世の街に遡る、交通事故で死んだのは夫ではなく私。2021/08/05

S.Mori

17
異国で感じる恐怖を描いた13篇です。旅と恐怖を結びつけた手法が素晴らしいです。旅はわくわくするものではありますが、心細さを感じることもあるからです。どの短編にも急に足元がぐらつくような恐ろしさがあります。私の一番の好みは第三話の「黒い靴」です。靴とホラーという意外な組み合わせの着想を面白く感じました。主人公はパリで出会った女性から恐ろしい話を聞きます。父の作った靴を履いた母は不慮の事故にあってしまいました。父はその靴に秘められた自分の思いを語るのですが……。最後の一行で恐怖がこみ上げてきます。2020/04/17

miwapicco

11
2度目か3度目か、お風呂の友に一気読み。背表紙読んで、知らないーと思ったけれど、どのお話も最初の一文ですらすら内容思い出すという。ごく短いお話ばかり、でも印象強烈。これがるるぶとは、旅に出る気なくしそうーー😅最初のマルガリータのお話がやはり好きです。 ほんと、惜しい人を亡くした、、、2017/10/26

あつ子🌼

9
再読。ホラー短編集です。冒頭の『マルガリータをもう一杯』からガツンとやられた。再読なのに。 初出は2006年。私のイヤミス好きは昔からだったのだなあ。2021/06/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/452843
  • ご注意事項

最近チェックした商品