内容説明
捜査二課から異動してきた“刑事の中の刑事”上河内博人警部が相棒に指名したのは、なんと“内勤のプロ”柴崎警務課長代理だった(「秒差の本命」)。坂元真紀署長は、管内に移ってきた武闘派暴力団事務所を排除するため、総力体制を組む。対策を練り、調査を進めるうちに、柴崎たちの想像を遙かに超えた真実が浮上する(表題作)。警察小説の醍醐味、その全てを詰めこんだ、会心の連作ミステリ。
著者等紹介
安東能明[アンドウヨシアキ]
1956(昭和31)年静岡県生れ。明治大学政経学部卒。浜松市役所勤務の傍ら、’94(平成6)年『死が舞い降りた』で日本推理サスペンス大賞優秀賞を受賞し創作活動に入る。2000年『鬼子母神』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞する。’10年『撃てない警官』所収の「随監」で日本推理作家協会賞(短編部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
123
シリーズ最新巻。連作短編4話に中編のタイトル作。どれも読み応えがあって良かった。柴崎課長代理のポジションって大変だなぁと・・その柴崎警部に相棒誕生!と帯にあったが、なんだかその上河内警部のキャラが違和感有りの登場だったのに、いつのまにかすんなりと受け入れてる私。相棒とはいろんな形があるだろうが、自分にないモノを持ったタイプだと相乗効果があるのかもね。坂元署長と松江署長、女のバトルもなかなかで(汗)また、高野の頑張りに成長を感じて読了した。2018/01/20
サム・ミイラ
121
回を重ねるごとに面白くなるこのシリーズ。それは新しい登場人物によるところが大きい。今回柴崎の下に配属される岩城信親は元刑事。降格処分で飛ばされてくるらしい。彼が活躍する第一話を読み終えこれからの展開を想像するとこれが大間違い。なんと二話以降は刑事課長代理の上河内警部補が颯爽と登場!柴やんと呼びながら現場を引っ張り回す図々しい男。でも柴崎も嫌だと言いながらまんざらでもなさそうでしっかり捜査で結果を残したりして。この二人シリーズ史上最強コンビの予感。坂本署長の啖呵もカッコいい次作に大いに期待出来そな佳作(笑)2018/10/31
KAZOO
100
安東さんのシリーズ5作目です。短編4作と中編が収められています。捜査1課から移動してきた刑事が非常に興味ある人物です。着るものや履物にこだわりがあるようです。相棒に警務課の主人公を指名します。より捜査に取りこまれることになります。本人は以前ほど捜査にかかわることが嫌ではなくなり女性刑事も交えたトリオで事件を解決していきます。2021/09/14
papako
74
柴崎警部シリーズ。なんか年末って感じだ。今回は短編集。ベテラン刑事の岩城、柴崎と同じ代理の上河内など、新しい仲間が増えた。しかし柴崎の因縁の相手中田も再登場で波乱含みかと思われたが、柴崎代理は今日も捜査に精を出す!高野も組んで、なかなかの活躍をみせる。坂元署長をくさす同じ女性署長の松江さん、坂元さんは真正面からぶつかって、難なくクリア。全5話500ページ超えと読み応えたっぷり。堪能しました。しかし柴崎代理、本来の業務こなせてる?ま、面白いからいいけど。やっぱりこのシリーズ、地味なのに面白い!2017/12/28
タイ子
54
久しぶりのシリーズ、綾瀬署の柴崎警務課長代理は健在です。今回から新しく刑事課長代理の上河内が異動してきた。 上河内警部、柴崎警部をいきなり「柴やん」て、コケたわ~。ファッション、タメ口からしてチャラい印象。だけど、事件に関してはこの男すっごく切れる。今回は柴崎さんより目立ってますやん。シリーズに新風が吹き込んだようで面白い。坂元署長と松江署長、女警同士の対決も読みどころ。 シリーズこの面子で続けて欲しいな。2018/03/09