新潮文庫
近大マグロの奇跡―完全養殖成功への32年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101279619
  • NDC分類 666.6
  • Cコード C0162

出版社内容情報

乱獲が続く天然マグロ争奪戦に輝く一筋の光明。不可能への挑戦「完全養殖」を成功させた近畿大学水産研究所の歩みに迫る。

「海のダイヤ」クロマグロが世界的乱獲で絶滅の危機にさらされるなか、2002年に近畿大学水産研究所が発表した、「クロマグロ完全養殖成功」の報は世界を驚かせた。長く不可能といわれた、マグロの生命サイクルの全てを人工的に管理する技術を確立するまでの、熊井英水所長(当時)率いる研究チームの苦闘の日々に迫る。「世界初! マグロ完全養殖 波乱に富んだ32年の軌跡」改題。

内容説明

漁獲量激減、生態はほぼ不明。絶滅間近とも囁かれる、天然クロマグロ争奪戦に見えた一筋の光明。それがクロマグロの産卵と成長のサイクルを人工的に管理する「完全養殖」だ。自らを魚飼いとよぶ熊井英水所長(当時)率いる近畿大学水産研究所の研究チームが、建学の精神そのままに実学を極め、最高難度の養殖技術を確立するまでの苦闘の日々に迫る。

目次

第1章 クロマグロは養殖に向いた魚か
第2章 魚飼いの精神―近畿大学水産研究所
第3章 ヨコワ捕獲作戦
第4章 はじめての産卵からの長い道程
第5章 三二年目の偉業
第6章 完全養殖のめざすもの
終章 完全養殖を支えたもの
補足章 その後の近大マグロ

著者等紹介

林宏樹[ハヤシヒロキ]
1969(昭和44)年京都生れ。フリーライター。同志社大学商学部卒業。東京農業大学大学院博士前期課程中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

315
マグロの養殖に掛けた人たちの物語。今我々は養殖に成功した後から見ているが、成功するまで何十年かけた苦労は並大抵のものではないなと思った。近畿大学すごいなと思った。2015/10/01

i-miya

69
2014.01.08(01/08)(初読)林宏樹著。 (カバー) 漁獲量激減、生態ほぼ不明、絶滅間近ともいう天然クロマグロ。 争奪戦に一筋に光明、それがクロマグロの産卵と成長のサイクルを人工的に管理する「完全養殖」だ。 「魚飼い」と自ら称する熊井英水所長(当時)が率いる近大水産研究所研究チーム。 建学の精神そのまま実学を究めていくという日々。 (林宏樹)1969、京都生まれ、フリーライター。同志社大学商学部卒。 東京農業大学大学院博士課程満期退学。  2014/01/08

魚京童!

21
不可能を可能にするのが研究だろ2014/01/26

たみ

19
完全養殖とは天然の稚魚を成魚に育てて卵を採取、卵を孵化させて成長した成魚から卵をとり…を繰り返す養殖法。天然の稚魚による養殖の不安定さ(価格・資源問題も含む)をクリアし食を安定させる。初めての産卵が挑戦から10年目、自分たちが育てたハマチなどを販売して資金に充て、産業化を見据えた研究を続けたのだそう(2014年5月陸上での採卵も成功) 完全養殖不可能な魚といえばマグロとウナギというイメージ。しかしどちらも日本が世界に先駆けて完全養殖を達成、魚のイメージもどんどん変わっていくなぁ。彼らの忍耐に絶句。2015/03/10

punyupunyu

18
30年以上にわたるチャレンジ。ここまで長期にわたる研究は他に例を見ない。国公立大では研究員の質を論文数で測るようになってきているし。早くから実業に沿った研究に取り組んできたからこそでしょうね。クロマグロ養殖成功のニュースは知っていたし、事業展開を豊田通商と提携して進めていることも知っていたけれど、そのほかの魚についても完全養殖の実績はすごい。今日、電車の中刷り広告で和歌山県の観光案内を見ました。近大で成功した養殖クエを使った料理が紹介されていました。私はマグロよりもクエの方が好き。市場に出回るとよいな。2014/11/13

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