内容説明
60年安保、三島事件、長嶋引退―。時代の記憶を鮮烈に残している戦後史を代表する事件の数々。それは、なぜその時、その場所で起きたのか。敗戦によるGHQ占領から、日本中がバブルに踊っていた昭和の終焉まで、首都であり、文化の発信地であり、巨大な地方でもある東京という街の素顔を見つめ直す。事件関係者の証言、臨場感ある写真、詳細な図解を織り込んだ我々の歴史の現場案内。
目次
第1章 占領から独立へ
第2章 繁栄に向かう足音
第3章 政治のうねりと高度成長
第4章 広がる巨大都市
第5章 爛熟する文化と経済
第6章 ひとつの時代の終わり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
35
昭和の東京各地で起きた、記念碑的な出来事や事件を年表的に綴る。写真が多いので、この時代を知らずとも、現在の東京と比べながら楽しめる。2019/02/21
Ikuto Nagura
4
建設中の東京タワーの奥に国会議事堂が写る表紙の写真に惹かれて購入。赤羽橋か慶應大の辺りから撮ったものだろうか。遮る建物がないため国会まで見渡せちゃうことや、都電が走る道路とその周りの商店や民家の構えに時代を感じる。東京で起きた大ニュースを戦後の年代順に綴る本文は、記事も写真も少なく、ちょっと物足りない。だけど「東京は世界でも有数の新陳代謝が激しい街である。つい昨日まであった家屋が取り壊され、新しいビルが次々と立ち上がる」その新陳代謝の影に、たくさんの人たちが忘れ去られていく寂しさや悲しさを感じてしまった。2015/09/26
とみやん📖
4
子どもの頃の昭和の記憶がうっすらと脳裏によみがえった。Googleマップ片手に、じっくりと読むことができた。昭和はもはや歴史なんだと実感した。東京はやはり日本の首都と思い知らされるほど、我が国の歴史の一部を構成するようなさまざまな事件やエポックが毎年発生していることが分かった。2015/08/08
bittersweet symphony
2
時系列順に並んでいる各回の切り口が、社会・事件・人物と混在しているため、通しで読むと逆にテーマがぼやけてしまっている印象もありますね。三分冊にして流れを整理した上で内容をもっと膨らませたほうが面白いものになったのでは。帝銀事件(1948年)で「平沢貞通氏を救う会」を結成、再審請求を継続させるため自分の長男を平沢貞通氏の養子にまでして活動した作家 森川哲郎は著書「幕末暗殺史」を以前読んで名前を記憶していた人物。松本清張が731部隊と関連づけて(真相はどうもそれらしい)小説を書いてもいます。2009/11/04
Gen Kato
2
東京は、とにかく旧跡を壊しては新しい「ランドマーク」をぶっ建てる都市。なので、時代や事件の跡を辿るのは至難の業だということを改めて確認した。ニュージャパンの跡地とか明大の旧校舎とか、懐かしいですなあ。2016/10/19