新潮文庫
廓のおんな―金沢 名妓一代記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101206516
  • NDC分類 916
  • Cコード C0136

出版社内容情報

七歳の時、百円で身売りされた娘はやがて東の廓を代表する名妓に。花街を生きた女の真実を移りゆく世相を背景に描く、不朽の名著。百円――それが彼女の値段だった。山口きぬは父によって、東の廓「福屋」へ身売りされた。明治三十三年、わずか七歳の折の出来事だ。置屋の養女となったきぬは、厳しい暮らしに耐え、踊り、三味線、鼓の稽古に励み、やがて金沢を代表する名妓鈴見となる――。明治から昭和まで、城下町の世相を背景に、花街に生きる女の華やかさとその裏の切ない心情を描き切った、不朽の名著。

井上 雪[イノウエ ユキ]

内容説明

百円―それが彼女の値段だった。山口きぬは父によって、東の廓「福屋」へ身売りされた。明治三十三年、わずか七歳の折の出来事だ。置屋の養女となったきぬは、厳しい暮らしに耐え、踊り、三味線、鼓の稽古に励み、やがて金沢を代表する名妓鈴見となる…。明治から昭和まで、城下町の世相を背景に、花街に生きる女の華やかさと、その裏の切ない心情を描き切った、不朽の名著。

著者等紹介

井上雪[イノウエユキ]
1931‐1999。金沢市生れ。真宗大谷派光徳寺坊守。作家、俳人。十代から句作をはじめ、「雪垣」の編集人に就く。1973(昭和48)年、北國新聞連載「働く北陸の女」で、散文に本格的に取り組む。’81年、『廓のおんな』が大宅壮一ノンフィクション賞佳作となる。’91(平成3)年、「紙の真鯉」で泉鏡花記念金沢市民文学賞を受賞。’93年、北國文化賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ミカママ

466
【遊廓部・課題図書】芸妓さんのお話だと思い、放置していた。部員のレビューにて当時の金沢・東の廓では、二枚鑑札(芸も磨けば、しもも売る)という奥のテが使われていたことを知る。当時というのは、明治から昭和初期にかけて。わたしたちのよく知る江戸時代の吉原では、遊女と芸妓には厳格な線引きがあり、その線を越えると厳罰があったように思うのだが、所と時代が変われば、というところか。こちらは実在の女性のお話、5つで身売りされたその身が悲しくもたくましい。取材当時80を過ぎた彼女から話を聞きだし、まとめた手法はさすが。2020/04/09

扉のこちら側

74
2016年1081冊め。金沢の遊郭を生き抜いた山口きぬさんの生涯を描いたノンフィクション。1892(明治25)年の生まれで、7歳で廓の置屋に身売りさせられる。娼妓ではなく芸者にするという父の言い分だったが、「二枚鑑札」という制度によって芸者と娼妓の両方の鑑札を持たされてしまったという。15歳での水揚げのこと。日露戦争時に金沢にできた収容所のロシア人俘虜を「丁重に扱うため」に彼女たちが「働かされた」こと。辛い苦しい話であるのに引き込まれてしまうのは著者の筆力。(続)2016/12/16

しあん

30
金沢の方言や独特の廓用語が面白く読めた一冊でした。仕込みっ子はたあぼ、女中はべえべ、賄いはばんば等。べえべと言う言い回しがちょっと好き。このノンフィクションの主人公鈴見こと『きぬ』の廓での喜びも悲しみも全て描かれていました。2020/04/06

baboocon

13
超速読で読了。金沢の東の廓に身売りされ、明治から昭和にかけてを芸妓として生き抜いた女・きぬの人生。「水揚げの日」のことなど、実際に体験したきぬ個人の絶妙な心情が描かれている。2017/01/24

高橋 (犬塚)裕道

9
星4.5。内容的には星をつける事自体に後ろめたさが漂う。面白かった。芸妓に生きた女性のノンフィクションである。哀しみや強さ、色々なものが描かれている。2017/01/31

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