出版社内容情報
劉備は孔明の策により蜀を手中に収め、曹操と孫権は合肥にて激闘を重ねる。魏・呉・蜀がいよいよ台頭、興隆と乱戦の第八巻。
劉備は、荊州から呼び戻した孔明の策をもって、ついに蜀を手中に収めて国家の基礎を固める。あせる呉に荊州の返還を迫られるも、留守を預かる関羽は拒絶。だが孔明は、魏の矛先を蜀から逸らすべく、あえて要求をのむ。その読み通り、合肥にて孫権と曹操は死闘を重ねる――。曹操、劉備はついに王に。興隆と乱戦の第八巻。
内容説明
劉備は、魏呉の間にあってついに蜀を掌中に収め、国家の基礎を固める。あせる呉は荊州の返還を迫るも、留守を預かる関羽は拒絶。だが孔明は、魏の矛先を蜀から逸らすべく、あえて要求を受け容れ孫権と結ぶ。その読み通り、合〓(ひ)にて孫権と曹権と曹操は死闘を重ねる―。曹操、劉備は王の座に。興隆と乱戦の第八巻。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892‐1962。神奈川県生まれ。船具工、記者などさまざまな職業を経て作家活動に入る。国民文学作家と親しまれ、1960(昭和35)年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chantal(シャンタール)
78
【月イチ吉川英治】ついに曹操は魏王に、劉備は漢中王に即位し、漢王室は名ばかりのものとなり、ここに三国が並び立つ。曹操は忠臣を死に追いやり、耳に心地良い事を言うものだけを周りに侍らせる。人間、権力しかも絶対的な権力を持ってしまうと、若かりし頃どんなに崇高な理想を持っていても、変わってしまうんだよね。そんな例を私も現実社会でいくつ見て来たことか。荊州の所有をめぐる蜀と呉との遣り合いが面白い。劉備って、やっぱり良い人ぶった悪人だよね。2021/08/01
オーウェン
46
いよいよ終盤に入っていく8巻。 劉備軍が領地を拡大していく中で、焦る孫権は孔明の誘いに乗って、曹操と激闘を繰り広げていく。 そして荊州を預かる関羽は養子の関平と共に、次第に孤立していく様。 関羽の死亡フラグがもう立っており、次巻ではそうなるのだろうか。 2023/10/15
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
46
その志しは三国に分かれる。黄巾の大乱から群雄は乱立し、そして天は三人の男を世に送った、、。伏龍鳳雛の助力により劉備は、巴蜀を掌中に収め国家の基盤を固める。ここに中国大陸は、曹操の魏。孫権の呉。そして劉備の蜀の三国が出現し新時代を迎える。曹操は魏王の位に昇り覇道を極める。黄忠、定群山で奮迅し漢中に凱歌を上げる。劉備は孔明の勧めにより漢中王の座につき、ここに覇道と王道の二人の王が並び立つ。呉は荊州の返還を求めるも関羽は孔明の助言を受け入れず拒絶。呉の矛先は魏から蜀へ。鼎立と宿命と乱戦の第8巻。2017/05/12
ケイ
42
張飛を感心させ、その後劉備に使える厳顔と黄忠の老老コンビの活躍が凄かった。老人をいかに鼓舞させるかを心得ている孔明もさすがである、しかし、もうダメだと諦めて馬の背で泣く劉備を助ける張飛、でしゃばらすに黄忠を補佐した趙雲、わが娘を虎の娘、孫権の息子を犬コロの子と言い捨て、赤兎馬を乗り回す関羽の三人の活躍が嬉しい。これほど役者が揃っているのに、曹操にも孫権にもなかなか勝てないのが歯がゆい。孔明と言えども、兄からの訴えには情にかられるのが残念だった。2013/10/08
かめりあうさぎ
41
この巻では張飛の成長が凄かった!これまで私の中では大酒飲みの筋肉バカキャラだったのですが、計を用いて戦う姿が一度ならず描かれておりこれまでの愚行を思うと胸が熱くなる。特に三十余ヶ城無血招降は爽快だった。さて、呉×魏、魏×蜀など、様々な戦を経て、曹操は魏王に登り詰め、劉備も遂に漢中王となる。三国が互いに牽制し合い、自分以外と手を組まないように画策する中、なにやら関羽の周囲が騒がしくなってきたところで終了。関羽もだいぶ歳をとってきたので心配しつつ次巻へ。2018/03/29