こうふく あかの

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 172p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093862097
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ふたつの物語が、交互に描かれていく。ひとつは、結婚して12年、39歳の調査会社中間管理職の「俺」の妻が、ある日、他の男の子を宿す話。もうひとつは、2039年、小さなプロレス団体に所属する無敵の王者、アムンゼン・スコットの闘いの物語。39歳の「俺」は、しだいに腹が膨れていく妻に激しい憤りを覚えながらも、その様子を見続ける。生まれてきた子の肌の色は黒く輝いていた――。王者、アムンゼン・スコットは、物語の最後、全くの新人レスラーの挑戦を受ける。その男のリング・ネームはサミー・サム。肌の色は黒く、その隆々たる体躯は、チャンピオンを思わぬ窮地に追い込む。リングサイドでは、ひときわ声を嗄らして応援する老いた男がいた。時を隔てて、ふたつの物語が響きあう。

西 加奈子[ニシ カナコ]
著・文・その他

内容説明

お前は誰だ。俺の子ではない、お前は誰だ。39歳。男は、妻から妊娠を告げられた。それが、すべての始まりだった。30年の時間が流れた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaC

81
兎島が良くわからない存在だった。『こうふく みどりの』も読まないと不完全なのかな?2014/03/20

優希

64
何とも言えない郷愁のある作品で、死生観とかぼんやり考えてしまいました。妻の妊娠を通じて夫の日常を描いているのですが、本当の主人公は妻が生んだ子供じゃないかなぁと思いました。途中で挟まれてくるプロレスの話が実は本筋で、夫の日常は脇なんではないかと感じずにはいられません。「こうふく」は多分「幸福」なのでしょうね。違和感を覚えた書き方も、最後の場面で繋がります。何とも独特の作品でした。道でつながれたもう1つの物語が気になりますね。2014/09/04

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

54
中間管理職の「俺」の妻が妊娠した。でもここ数年妻とは関係をもっておらず・・。「こうふくみどりの」と対になるお話です。理解のある上司、理解のある夫を演じ続けている主人公が残念ながら好きになれませんでした。どこまで自意識過剰なのかと読みながらイライラ。そして虚しさを感じました。「みどり」の方も読めばまた印象が変わるのでしょうか?★★★2012/03/12

ユカリ

53
妻から妊娠を告げられたが、俺には身に覚えがない。しかし妻は産むつもりだ…。舞台やサラバを強烈にしたような自意識過剰な嫌な主人公なんだけど振り切れてるので苦笑いしながら読んだ。つまらない妻、つまらない友達。と軽蔑する彼が一番つまらないのにね。猿の足の裏のような顔の老婆、くしゃくしゃのコーヒーフィルターのような顔の老婆、の形容が西加奈子。二人の恋ばなをこっそり聞き耳立てながらビール飲みたい!交互に挟まれる少し未來のプロレスはどんな意味か?と思ったら最後に種明かし。気になるのは何故プロレス中継の解説に西脇千鶴?2019/02/20

おかだ

52
短いけれど濃くて結構面白かった。外面良く素敵な上司を演じることに腐心している男の美人妻がある日妊娠する。でも妻とはしばらくそういう行為がない、誰の子?!という話。自意識過剰な男性に鼻白みながら読んでいたけど、結末が気になって一気読みだった。途中に挿入されるプロレスラーの伝説が一体何を表しているのか、ラストにそれが分かってお~っ!と。感動した。みどりの方も読んでみたい。2017/06/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/568171
  • ご注意事項