サカナとヤクザ―暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093801041
  • NDC分類 662.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

築地市場から密漁団まで、決死の潜入ルポ!

アワビもウナギもカニも、日本人の口にしている大多数が実は密漁品であり、その密漁ビジネスは、暴力団の巨大な資金源となっている。その実態を突き止めるため、築地市場への潜入労働をはじめ、北海道から九州、台湾、香港まで、著者は突撃取材を敢行する。豊洲市場がスタートするいま、日本の食品業界最大のタブーに迫る衝撃のルポである。
〈密漁を求めて全国を、時に海外を回り、結果、2013年から丸5年取材することになってしまった。公然の秘密とされながら、これまでその詳細が報道されたことはほとんどなく、取材はまるでアドベンチャー・ツアーだった。
ライター仕事の醍醐味は人外魔境に突っ込み、目の前に広がる光景を切り取ってくることにある。そんな場所が生活のごく身近に、ほぼ手つかずの状態で残っていたのだ。加えて我々は毎日、そこから送られてくる海の幸を食べて暮らしている。暴力団はマスコミがいうほど闇ではないが、暴力団と我々の懸隔を架橋するものが海産物だとは思わなかった。
ようこそ、21世紀の日本に残る最後の秘境へ――。〉(「はじめに」より)



【編集担当からのおすすめ情報】
『ヤクザと原発 福島第一潜入記』『潜入ルポ ヤクザの修羅場』など、暴力団に関する潜入ルポで知られる著者が次なるテーマに選んだのは、サカナとヤクザという意外な組み合わせでした。サカナを食べるとヤクザが儲かる――ウソのような本当の話を、足かけ5年に及ぶ徹底した現場取材で明らかにしていきます。築地市場への潜入記から密漁団への突撃取材まで、緊迫感に笑いが混じる独特の現場描写こそが、本書の読みどころだと思います。


鈴木 智彦[スズキ トモヒコ]
著・文・その他

内容説明

北海道から築地、九州、台湾、香港まで、5年にわたる長期取材でついにその実態を掴んだ!「高級魚を食べると暴力団が儲かる」食品業界最大のタブーを暴く。築地市場から密漁団まで決死の潜入ルポ!

目次

第1章 岩手・宮城 三陸アワビ密漁団VS海保の頂上作戦
第2章 東京 築地市場の潜入労働4ヶ月
第3章 北海道 “黒いダイヤ”ナマコ密漁バブル
第4章 千葉 暴力の港銚子の支配者、高寅
第5章 再び北海道 東西冷戦に翻弄されたカニの戦後史
第6章 九州・台湾・香港 追跡!ウナギ国際密輸シンジケート

著者等紹介

鈴木智彦[スズキトモヒコ]
1966年、北海道生まれ。日本大学芸術学部写真学科除籍。雑誌・広告カメラマンを経て、ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めた後、フリーに。週刊誌、実話誌などに広く暴力団関連記事を寄稿する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

362
漁業の売り上げ、特に密漁のアガリがヤクザの大きな収入源になっていた。著者はカメラマンを経てヤクザ専門誌のライターからフリーに転身。築地市場への潜入取材や、密漁現場への密着取材を行ってその「業界の暗部」を描いた。ナマコがヤクザの「飯のタネ」になり「密漁革命」がおきた、ともいう。中国で高級食材として干しナマコが脚光を浴び、値段が高騰。ヤクザが取った「みかじめ料」が毎日1千万円もの収入を生んだという。「原子力発電所の海」には漁業権がないため、ヤクザにとっては格好の密漁場になっている。との指摘も面白かった→つづく2023/07/06

ゆいまある

155
ヤクザ一筋のライターによる膨大な年月を情熱かけたヤクザと密漁の本。テーマは多岐に渡り、内容は濃い。反ヤクザ本ではなく、根室の密漁団が、家族や仲間を大事にし、地元と繋がりながら北方領土で密漁を重ねる様はつい応援してしまう。日本の漁業権の成り立ちがそもそも曖昧なものであり、反社会勢力が入り込む隙だらけであり、密漁品ありきで経済が回っている為、思い切った仕組みを変えないと今更どうにもなりそうにないが、乱獲により先細りとなっている日本の漁業の現状は余りに情けなく、抜本的な改革が必要なのは言うまでもない。2019/08/12

ケイ

149
漁師出身のヤクザは多い。組長にも。密猟は大きな資金源。三陸のナマコは、簡単に大量に獲れ高く売れる格好の密猟の品。北海道のカニと北方領土とヤクザ。そのラインに絡む鈴木宗男氏や旧オウムについてはどうなのかと気になる。そして日本人が食い尽くす鰻。ヤクザや、借金のある漁師らは、命をかけて潜っても直ぐに競馬やパチンコで金を失う。暴力団は、社会の不適合者を絡め取り、義賊を気取ってその稼ぎを収奪しているのだ。私はナマコもカニも鰻もほとんど食べないので他人事のように読んだ。2019/05/29

kinkin

142
ルール破りの漁業である密漁をテーマにしたルポ。アワビや黒いダイヤと呼ばれるナマコなどの密漁品やそれをさばく築地市場のことが著者が潜入してその実態が描かれている。そこには暴力団が介在して業者間と結びついていることやその利益の多くが暴力団にも流れていることを知った。普通の人がたとえ5,6個採ってもそれは密漁である一方で大掛かりな密漁が行われている。末端の採る側は時には死もありうる劣悪な環境。まさに巨悪は眠る。著者が築地市場で働きながら実態を描いているところはスリリングだった。図書館本 2019/04/03

エドワード

118
漁業と農業は根本的に違う。農業は栽培して生産する。漁業は自然に生息する魚介類を捕獲する。漁業の本質は略奪だ。密漁とは、資源保護のために、時期、海域、収穫量などを制限し、それ以外の漁獲を禁じるのだが、利益を求める心理は「正直者はバカを見る」へ傾く。従って、漁業はヤクザに限りなく近い。漁師、市場関係者、みなバクチ打ちだ。社会からはみ出た者も漁業には従事できる。寿司屋で変わったネタを見て「これは通常のルートでは入らないんですわ」と言っても誰もとがめない。漁業権という概念は日本にしか無いというのも初めて知った。2019/01/25

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