長井健司を覚えていますか―ミャンマーに散ったジャーナリストの軌跡

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  • サイズ B6判/ページ数 167p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087805314
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

内容説明

現場にこだわり、現場で倒れた日本人ジャーナリストがいた。2007年9月27日、自由と民主化を求める民衆の中でミャンマー軍の銃弾に倒れた彼は、音楽を愛する、愚直で純粋で熱い男だった。

目次

起 ビルマに死す(日本人ジャーナリスト、撃たれる;無言の帰宅)
承 ジャーナリスト誕生(「音ガク」が好きだった;自由人;目覚め;ワン・ステップ・アヘッド―もう一歩、前へ踏み出さないか;わがままな奴;自分の見たことだけが「事実」;突撃取材)
転 「戦場」へ(「戦場に行きたいんだ」;「JCO事故」現場にまで突撃?;「ポー・ケンジ」;アフガン取材;伝えなければならないものが、そこにあるから;親切なジャーナリスト;「イラク報道」にも参戦;「わがまま」健司;「理解されない人々」への憐憫;「青春」健司、五〇歳に到達;「ビルマ」への関心;最後のメール;「死ぬ気で行きます」)
結 さらば、健司(「決断」の結末;検証コラム 「サンダル履き」の謎;その思いを受け止めて)

著者等紹介

明石昇二郎[アカシショウジロウ]
1962年、東京都生まれ。1985年、東洋大学社会学部卒業。1987年3月、『朝日ジャーナル』に青森県六ヶ所村の「核燃料サイクル基地」計画をめぐるルポを発表。以後、フリーランスのルポライターとして活動する。記事発表の主な舞台は週刊誌やテレビニュースなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ank

4
長井さんが亡くなって2年後に出版された本です。当時の報道を見て、資金距離から武器を持っていないにもかかわらず射殺された事実に、私自身かなり激怒していました。9年たった今、古本屋さんでこのタイトルを見たとき、すっかり忘れていました。これを読んで長井さんが、それ以前の報道番組で好んで見ていた特集を制作された方だと知りました。正義を追求し、自分の目や肌でたしかめ、信念を貫き伝えてくれていたものテーマは確実に私の記憶に刻まれています。忘れてしまっていたからこそ、この本と出会えて良かったと思います。2018/11/10

yos

1
長井健司は、真面目に報道に取り組む人だった。危険を承知で現場に赴き、自分の目で見た戦争を記録した。組織の歯車の中では少しはみ出したし、事実にこだわる信念が周囲の目にはわがままと映ることも多かった。しかし、彼は常に小さい者、弱い者、声なき者の代弁者として、正義を世に問うた。長井健司の生い立ちや学生時代のエピソード、仕事に対する姿勢などへの取材から、彼の人となりを浮かび上がらせている。端整な顔立ちはおだやかだが、真実を見つめる目はゆるぎがない。「誰も行かないところに、誰かが行かねばならない」彼の口癖である。2009/09/19

羽原瞳(たがっち)

0
当時は中学生だったと思うが、長井さんのことは亡くなられたことを報じるニュースや新聞で初めて知った。衝撃であった(今でも当時の地元紙をまるまる一日分置いてあるほどである)。同じ県出身で、こんなにジャーナリズムに向き合われていた方がいらっしゃったにも関わらず一切知らなかったことを大変恥ずかしく感じたことを覚えている。 あの日から、長井さんの遺志を何とか引き継ぐことは出来まいかと考えている。そんな中、本書に出会った。著してくださった明石さんに、この場を借りて感謝申し上げたい。2015/05/24

hatagi59

0
もちろん覚えていますよ。あの時、同じ場所にいましたから。デモには危険だから近づくな、と言われてゲストハウスの近くでbbcにかじりついていたのを思い出す。本書にて長井さんの人柄がしれて良かった。正義感が強く、仕事に情熱を持って取り組み、真実を伝える事に信念を燃やした人。改めて、こういったジャーナリストがいるんだな、と思った。2014/05/28

sasha

0
途轍もない正義感と、途轍もない優しさ。それが彼をミャンマーへ向かわせた。狙い撃ちだったとう証言もある。銃撃された時、彼が手にしていたビデオカメラは返却されていない。そこには彼を撃った兵士の顔も映し出されていたことだろう。彼らジャーナリストが危険地帯から伝える情報は貴重だ。でも、もう誰も命を落として欲しくはない。2013/07/03

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