出版社内容情報
いま、多くの人が「発達障害」に関心を抱き、受診希望数も増えている。
当事者の声に耳を傾け、専門家による知見や海外の事例を紹介して、大きな反響を呼んだ生放送「NHKスペシャル 発達障害 ~解明される未知の世界~」をもとに書き下ろし、私たちが知るべき事柄についてやさしく解説した決定版。
NHKスペシャル取材班[エヌエイチケースペシャルシュザイハン]
著・文・その他
内容説明
世界の見え方が、違うとしたら?大人も子供も悩んでいる―。いま私たちが知るべき事柄を、当事者や専門家の言葉でやさしく解説。
目次
1 知られざる「感覚過敏」の世界(当事者中心のスタジオゲスト;発達障害の3分類とは? ほか)
2 ADHDと学習障害の当事者に見えるもの(どうしても忘れ物をしてしまう女の子;ADHDと主婦業は相性が悪い? ほか)
3 二次障害のこわさ(発達障害が引き起こす、さらなる困難;どんな職場でも浮いてしまう ほか)
4 発達障害を抱えながら働く(独特の個性を活かしてグローバル企業に就職;レゴを使って「快適エリア」をつくる ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
32
大変だなぁ。そして能力があっても障害を持っているためにその能力を生かせないことも残念2018/07/16
リリー・ラッシュ
27
NHKが番組のために、発達障がいの当事者、専門家、研究者、関係者などに取材した膨大な資料をもとにまとめられたものだそうです。周囲から見たら「困った」人かもしれないけれど、実はその人は「困っている」のだという見方。そんな見方でまとめられたこの作品は、発達障がいの方への理解を深めるのにとても参考になりました。「『定型発達症候群』という考え方」というコラムは特に私にとって興味深かったです。来週、NHKでは発達障がいに関する番組が20番組集中的に放送されるそうです。是非、見たいと思います。2019/10/20
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
22
【1回目】好著。これが発達障害関連の著作を読む三冊目となったが、この著作がもっとも腑に落ちる書き方がされていた。何よりも、当事者の肉声を取り入れ、ほぼ個別で多様に現れる障害のあり様を提示しているのがよかったと思う。「普通」と言って憚らない「われわれ」は、たまたま「多数派」に属しているだけにすぎないのではないか。少数者を、少数であるということを際立たせて孤立させるのではなく、共に「生きやすい」社会の構想に向けての同伴者であると意識していきたいと思った。2019/09/07
友蔵
21
当事者の視点から発達障害を考えた番組を本にした一冊。私たちはやはり全く知らないのだと痛感しました。外から見て感じた情報だけを基にして型枠にはめ込んだように接する。これをやられた方はどんなに辛い事か。。障害の有り無しに関わらずありのままの自分で生きていく事がこんなに大変な世の中なんだなと改めて認識しました。この本でも「普通」って何だろうと思いながら読みました。健常者にとっての普通は障害者には普通ではない。その逆も然り。普通って結局、多数決みたいなもんで如何様にでも変わってしまう。<続く>2019/08/25
re;
19
「見えない障害」は難解だ。見ようとしたって見えないし症状は多岐にわたり、当事者ですら混乱しわからなくなることもあり、第三者に理解してもらうことは尚更難しいのが現実。行政で出来ることは目に見えること+平均的なこと。でも発達障害ほど「平均」が当てはまらないものもない。この本を読むと支援が増えているように錯覚するけど、実際直面する問題にしっかりと手が差し伸べられることは少ない。だから内容がどうこうというよりも、発達障害自体をこうやって取り上げて、広くその事実を知ってもらうことが大切なこと。2018/06/20