心淋し川

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心淋し川

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087717273
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

【第164回直木賞受賞作】

「誰の心にも淀みはある。でも、それが人ってもんでね」
江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。
青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に不美人な妾を四人も囲っている。その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていたおりきは、六兵衛が持ち込んだ張形をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして……(「閨仏」)。
裏長屋で飯屋を営む与吾蔵は、仕入れ帰りに立ち寄る根津権現で、小さな唄声を聞く。かつて、荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が手酷く捨ててしまった女がよく口にしていた、珍しい唄だった。唄声の主は小さな女の子供。思わず声をかけた与吾蔵だったが――(「はじめましょ」)ほか全六話。
生きる喜びと生きる哀しみが織りなす、著者渾身の時代小説。

【著者略歴】
西條奈加(さいじょう・なか)
1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノべル大賞を受賞し、デビュー。2012年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、2015年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞。近著に『亥子ころころ』『せき越えぬ』『わかれ縁』などがある。

内容説明

不美人な妾ばかりを囲う六兵衛。その一人、先行きに不安を覚えていたりきは、六兵衛が持ち込んだ張形に、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして…(「閨仏」)。飯屋を営む与吾蔵は、根津権現で小さな女の子の唄を耳にする。それは、かつて手酷く捨てた女が口にしていた珍しい唄だった。もしや己の子ではと声をかけるが―(「はじめましょ」)他、全六編。生きる喜びと哀しみが織りなす、渾身の時代小説。第164回直木賞受賞。

著者等紹介

西條奈加[サイジョウナカ]
1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2012年『涅槃の雪』で中山義秀文学賞、2015年『まるまるの毬』で吉川英治文学新人賞を受賞。時代小説から現代小説まで幅広く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

807
表題作を含めて6つの短篇を収録。いずれも千駄木町の外れの心淋し川の両岸にある心町が舞台。6篇はそれぞれ緩やかな繋がりを持つ。時代小説は制約が大きいともいえるのだが、その反面で封建社会といった枠組みを持つことで夾雑物を追い払えるという小説作法上の利点もある。この時代に女であることは、一層に大きな枷を背負うのだが、本編に登場する男たちもまた同様である。小説集の全体は、そうした生き難さの中で、せいいっぱいに生きる者たちを、哀調を通奏低音としながらも、細やかな愛惜を込めて描き出す。 2024/02/12

starbro

790
直木賞候補作になってから、図書館に予約したので漸く読めました。(2/6)西條 奈加、初読です。心町(川)周辺に棲まう市井の人々の人生・機微を描いた時代連作短編集、渋く巧い秀作、直木賞も納得です。オススメは表題作『心淋し川』&『冬虫夏草』です。通常は芥川賞受賞作よりも直木賞受賞作が売れますが、今回は渋すぎて残念ながらあまり売れなさそうです(笑)機会を見つけて著者の他作品も読んでみたいと思います。https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/urasabishigawa/2021/02/07

ミカママ

712
江戸の片隅、川の流れが淀み、夏場にはその澱みが腐臭さえ漂わせる土地。そんな土地の長屋に、その川の淀みのように住まう人々の物語。微妙に登場人物が連鎖していく構成も大好物だ。他の作家と比較されるのは作家さんとしては本意ではないと思うが、宇江佐真理さん亡き後、追いかけたい作家さんを見つけられた思いである。2021/02/26

さてさて

677
『誰の心にも淀みはあ』り、『事々を流しちまった方がよほど楽なのに、こんなふうに物寂しく溜め込んじまう』『人』という生き物。それは、『雨水とともにあらゆる塵芥を溜め込んで、まったりと淀んでいる』「心淋し川」の流れと同じようなものなのかもしれません。時代が変わっても、人の喜怒哀楽の感情は何も変わらないと感じたこの作品。『心町』の『長屋』に生き生きと暮らす人々の息づかいを物語に感じさせるこの作品。すっと心に沁み込んでくるような物語の中に、作者である西條奈加さんの優しい眼差しを感じた素晴らしい作品だと思いました。2022/11/19

ひさか

641
小説すばる18年7月号心淋し川、10月号閏仏、19年1月号はじめましょ、4月号冬虫夏草、7月号明けぬ里、10,11月号灰の男、の6つの連作短編に加筆修正を加えて、2020年9月集英社から刊行。うらに心という字をあてるというところには、びっくりです。いずれも、読み応えのある連作で、面白かったです。6編目の灰の男には、前編のその後を補完する話もいくつか、出てきましたが、そこは、前編に持っていって欲しかったというか、いやいや、やはりこの位置が適切だ、連載のものはどうなっていたのかとか、考えて楽しみました。2020/12/06

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