出版社内容情報
宜能の妹・初草は、共感覚の持ち主ゆえに読み書きができない。彼女を助けるべく、宗孝の姉がある発明をするのだが……? 他2編。
内容説明
「ばけもの好む中将」宣能の妹・初草は、文字に書き手の感情を読み取る“共感覚”を持つため読み書きができない。彼女のために、発明主婦である五の姉は便利道具の開発を始める。一方、宗孝は河原で瀕死の男を見つけ、宣能に知らせるわけにはいかない重大な秘密を知ってしまう。陰陽師の歳明とともに賊の目をかいくぐり都を右往左往する羽目になり…。波瀾万丈の平安冒険譚、シリーズ第10弾!
著者等紹介
瀬川貴次[セガワタカツグ]
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。瀬川ことび名義での著書もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
117
気になっていた本を1巻から読み始めあっという間に最新刊の10冊目まで来てしまいました。いよいよ悪役が存在感をまいて十の姉の秘密がわかるようになってきました。中将の妹のために五の姉が現在のメガネのようなものを考案します。妖怪ものというよりもちょっと変わった二人の主人公とそのまわりの人間関係を描いたものでこれからもしばらく続きそうですね。早く続編を読みたいものです。2021/04/28
真理そら
89
十の姉の置かれた状況がぼんやり見えてきた気がする。相変わらず初草はかわいいし一途、宗孝はドンくさいし運がいい。今作はキャラ総出演というくらい賑やかだったので楽しく読み終えた。中将様の長期計画はなんとなく読めるけど宗孝が傷つくような方法を取ったら読者は許さないからねっ。2020/11/22
さつき
76
今回は多情丸、狗王の出番が多くいつもよりシリアスに感じました。宣能、右大臣ならびに弘徽殿の女御、そして東宮とそれぞれの思惑が絡み合い、宗孝も否応なく巻き込まれていくようで今後が気になります。2022/04/04
しゅてふぁん
63
この物語は登場人物が多いのに久しぶりに読んでも全く混乱することがない。姉たちの個性が強烈なせいもあるけど、ちゃんとした名前があるわけでもないのに凄いなと感心する。怪異を求めて夜歩きしても面倒事にしか遭わないんだし、そろそろ諦めても良いのでは、と思ったり(それだと話が成り立たなくなるけど)。さて、宗孝の姉たちが宣能の周囲とここぞとばかりに絡み合ってきて面白くなってきた。気になる終わり方だったので続きが楽しみ。2021/03/19
ぽんすけ
53
今回は前の巻のほのぼのを覆すシリアスな展開になって戸惑う私。その中で、頭中将繁成の浮気疑惑の話はほっこりできてよかった。五の姉とその夫と三人で楽しく趣味の話に興じてるの見たら、趣味についていけない奥方はつらいし、浮気も疑うかも。最後の仲直りはとても素敵だった。そして遂に十の姉上の素性が明らかに、思ってた以上に危ない世界で綱渡りしてるやん。多情丸みたいなヤバい男にターゲットロックオンされて不安しかない。狗王がどういう立ち位置に来るかで展開は大きく変わると思うんだけど。とにかく誰かが死んだりするのはやめてね2024/01/05