出版社内容情報
見るのがこわい、見られるのもこわい!
他者の顔を「見られない」視線恐怖を発症した著者が、その克服のために「視線」について徹底的な調査と取材を行った記録。精神医学から脳科学、社会学まであらゆる知見を動員した「視線論」!
内容説明
異変は、ある日突然、起こった。街ですれ違う女性の顔を「見られなく」なったのだ。それは、強迫神経症のひとつである「視線恐怖」だった―。著者は、わが身にふりかかったこの異変を克服するため、「視線」について徹底的な調査と研究を開始する。そして、精神医学領域にとどまらず、脳科学、認知行動学、社会学へと探究のフィールドを広げていく。そこから見えてきたのは、私たちの社会が、いかに「視線」に規定され束縛されているかという事実だった。著者の苦闘と思考の過程を赤裸々に綴った、知的論考。
目次
第1章 「視線」は「脳」のどこで情報化されるか
第2章 視線恐怖
第3章 「森田療法」における「視線」
第4章 単細胞生物にも「視線」があった?
第5章 柳田國男が感じた「近代の視線」
第6章 対人関係性の「地殻変動」
著者等紹介
上野玲[ウエノレイ]
1962年東京生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学文学部卒業。精神医学、性意識、対人関係、食べ歩きなど多方面で記事を書いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あゆ
46
視線がこわい あゆも人の視線怖いから共感できる部分があった,あゆは作者さんとは違って「他人の視線が自分をあざ笑っている,嫌悪している」というこっちタイプの視線恐怖だった2021/06/24
雨巫女。@新潮部
8
《私‐図書館》目にみえないが、心の不安は、広がっているんだなあ。2012/12/16
bouhito
5
就職したての頃、上司や先輩の目を見て話さなければいけないという脅迫概念にかられて、あれは結構負担だったなとしみじみ振り返りながら読んだ。(その時は、相手の目じゃなくて眉間を見ればいいんだよと助言を受け、随分楽になった)。筆者の動機は自身の視線恐怖症にあるのだけれど、そこから、脳医学・生物学・果ては哲学・民俗学の文献を引き合いに「(日本人にとっての)視線論」を構築している。知っていることを書くのではなく、知るために書くという筆者の姿勢が心強かった。2016/02/28
しゅんぺい(笑)
4
タイトル見て、自分のことやんかって思って、こんな本出たんやったら絶対読みますよね。 視線恐怖のことに関してはあまりページが割かれていないので、内容としてタイトルからは離れているかもしれへんけども、それでもけっこうおもしろい内容でした。 ただ、数少ない視線恐怖の話のときは共感しまくってしまった。 「見るなの禁」の話が印象的。「視線」についての話が意外と掘り下げられていた。2012/10/12
sasha
3
粗製乱造の集英社新書だが、これは酷いだろう。他者の作品から引用しまくり。視線よりもこんな本を商業レベルで出しちゃう版元の方が怖いわ。ジャーナリストを名乗るのなら、自分の言葉で書けよ。2013/02/27