集英社新書<br> 不幸な国の幸福論

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集英社新書
不幸な国の幸福論

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087205220
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0210

出版社内容情報

挫折と逆境こそが「幸福」の要件である。
「幸せの理想型」に囚われ、不幸の種まきをしているような日本人・・・。その秘密を解き明かし、心豊かに生きるための「知」の育て方を伝授。
●「知足者富」──「足るを知る」豊かさ
●生きがいを手に入れる簡単な方法
●「身一つの自分」で人と向き合う
●自分の評価を他者にゆだねてはいけない
●豊かな老いの過ごし方
●「確証バイアス」の罠に陥らない
●幸福の源泉は「しなやか」な精神

内容説明

経済は破綻し格差は拡大する一方、将来への希望を持つことが難しい日本にあって、「幸せ」は遠のくばかりと感じている人は多い。しかし、実は日本人は自ら不幸の種まきをし、幸福に背を向ける国民性を有しているのではないか―。精神科医、心理学者でもある作家が「幸せになれない日本人」の秘密を解き明かし、幸福になるための発想の転換法を伝授する。追い求めている間は決して手にいれることのできない「幸福」の真の意味を問う、不幸な時代に必読の書。

目次

第1章 幸福を阻む考え方・生き方(「考えない」習性が生み出す不幸;他者を意識しすぎる不幸)
第2章 「不幸増幅装置」ニッポンをつくったもの(経済最優先で奪われた「安心」と「つながり」;流され続けた日本人)
第3章 幸福は「しなやか」な生に宿る(不幸を幸福に変える心の技術;幸せを追求する人生から、幸福を生み・担う生き方へ)
第4章 幸せに生きるための「老い」と「死」(人生八十五年時代の「豊かな老い」の過ごし方;死を思うことは、よく生きること)

著者等紹介

加賀乙彦[カガオトヒコ]
1929年、東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業。東京拘置所医務技官を務めた後、精神医学および犯罪学研究のためフランス留学。帰国後、東京医科歯科大学助教授、上智大学教授を歴任。日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

32
幸せと本人が思えば、幸せだという見方はその通りだと思った。人生に関するアドバイスはさすが長く生きている著者ならではの含蓄に富んでいると思った。しかし、政治に関する提言の多くには賛同できなかった。70代過ぎると、それはそれで医療費が必要になってくるが、財政が限りある中で、そこの予算を増やすのは困難である。お金があまりかからない形での道をあらゆる側面で考えなくてはいけないし、公共事業批判も地方にお金を流す手段が限られているところにあるのではないかと思う。2017/02/08

テツ

31
自分が不幸なのか幸福なのか。ただ単に在るだけの存在ならばそんなことを考えて悩み苦しむこともなく、ただただ存在を享受することが出来ただろうに我々は自分を他の人間と比べてしまう。それもあやふやな頼りない尺度で。幸福かどうか。自分の存在を肯定出来るかどうかということに本来他者の物差しが入り込む余地はない。だって他人は僕じゃないのだから。強くしなやかな個人主義の大切さ。「僕の」この世界を測る物差しは僕しか所有していないと信じられる傲慢さ。そういう自分勝手さがより良く生きるためには必要だ。2018/04/04

金吾

25
○他人と対比したり他人を意識することが自分にとりどのようなものであるかを考えていこうと思いました。また著者の死を恐れなくなったアプローチは感心しました。また死を意識し懸命に生きることは難しいですが真理かなと思いました。2021/12/05

白ねこ師匠

17
[★★★★/◎]人生を自分以外の価値観や要因に振り回されず、充実させるためのアドバイスが平易な言葉で綴られた良書。示唆に富む言葉にたくさん出会えた。家族との関係や仕事への向き合い方に悩んでいる時期に読んだので、心に刺さりまくった。子供を含めた家族にも読んで欲しいところ。初版が震災前でもありちょっと古いけど現在にも通じる。あと日本の社会は当時より格差が広がり、氏が「最も大切」と主張する「希望」を持てない人が増えている気がして、恐ろしくなった。2021/11/23

阿呆った(旧・ことうら)

13
豊かな国で、なぜ不幸に感じられるかが論理的に述べられている。2016/03/04

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