出版社内容情報
これは、聖女失格の烙印を押された少女が、最強の聖女を目指す物語。
かつて神は「妖魔皇が発する瘴気で世界は滅ぶ」と託宣を下した。同時に、未来を視る『聖眼』を巫女に授け、瘴気の発生を先回りしてふせぎ、百年分だけ滅びを回避するようにも告げた。
以来、システィナ帝国では百年に一度、聖誕を祝う鐘が鳴り、皇帝選が行われる。聖女と誓約して課題をこなし、より多く瘴気の原因を封じた者が皇帝となるのだ。
初代聖女の末裔ながら何の能力も持たないシルヴィアは、天才と呼ばれる妹プリメラと比較され、家族のみならず領民からも虐げられていた。
そして聖誕を祝う夜、聖女の資格を持たないはずのシルヴィアは聖眼を得てしまう。プリメラの邪魔になるとわかれば殺される。家を飛び出したシルヴィアは、運命の出会いを果たすが…?
内容説明
百年に一度、滅びの未来を回避するために行われる皇帝選。そこでは数多の候補が聖女と誓約し、皇帝の座を競う。初代聖女の末裔ながら、何の能力も持たないシルヴィアは、家族のみならず領民からも虐げられていた。聖誕を祝う夜、聖女の資格はないはずなのに、聖痕を発現させたシルヴィアは密かに家を飛び出した。そして、運命と呼ぶべき出会いを果たすけれど…?
著者等紹介
永瀬さらさ[ナガセサラサ]
第11回角川ビーンズ小説大賞奨励賞&読者賞受賞、『精霊歌士と夢見る野菜』にて作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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よっち
37
百年に一度、滅びの未来を回避するために行われる皇帝選。初代聖女の末裔ながら何の能力も持たず、家族や領民にも虐げられるシルヴィアが、密かに家を飛び出して謎めいたルルカと運命の出会いを果たすファンタジー。ルルカとその従魔スレヴィに鍛えられ自分の力を見出してゆくシルヴィア。シリアスベースなのにどこかコミカルで、ルルカと誓約して参加した皇帝選で出会うロゼやマリアンヌもいい感じに効いていて、何より再会した実妹の天才聖女プリメラと元婚約者のジャスワント皇子もなかなかあれでしたが、皇帝選やルルカとの関係も楽しみですね。2022/03/07
ぐっち
28
魔力がなくて放置されている聖女の末裔のヒロインが出会ったのは「お父様」。血のつながりはないけど、父として甘やかしてくれるイケメン良いですね。最弱ヒロインと最強妹のバトルも見ものです。私的にはマリアンヌ様が大好き。続きが出ても出なくてもよい終わり方だったけど出てほしい!2022/03/12
ひぬ
24
初代聖女の家系に生まれながらも何の能力を持たない主人公・シルヴィア。天才と称される妹・プリメラとことあるごとに比較され、虐げられた彼女は聖誕を祝う夜、奇しくも聖誕を祝う夜である聖眼をその目に宿してしまいます。逃げ出した彼女を救ってくれた妖魔・ルルカと共に、シルヴィアは皇帝選に挑むことになります。両親が思った以上に毒親で流石にシルヴィアがあまりにも不憫でしたが、少しズレたルルカという新たな親のもと、徐々に花開く姿が良かったです。12歳のプリメラがあまりに悪女でしたが、そこは育った環境にあり。2022/04/02
わたー
23
★★★★★美しい容姿の人外と周囲から迫害を受けていた少女とが、疑似的な父と娘になる。やっぱりこの手の作品に魂の根っこの部分を押さえられちまってるんだよなあと思うぐらい癖にブッ刺さる内容でよかった。彼女の境遇をあっという間に変えてしまうほど強いのに、千年前の初恋を過剰に美化していたり、シルヴィアの嫌がる顔を楽しんでみたりと、外見からは想像もできないほどお茶目なルルカ。そんな彼に庇護されるんだから、反発しつつも父親代わり以上の感情を持つのは至極当然で、本人はまだその感情に気づいていないのだけれども、2022/03/10
はなりん
21
聖女の家系聖爵家に生まれながら、魔力がないため、虐げられていたシルヴィア。皇帝選の始まりの日、聖眼が顕現し家から逃げ出す。魔王のルルカと出会い父娘として過ごし、感情を取り戻していく。他の聖女候補や妖魔達との温かい関係が素敵。ルルカとも父娘から恋愛へと少しずつシフトしていく感じで、続きが楽しみな感じです。2022/05/14