ほんのこども

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  • サイズ 46判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065260364
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

横溢する暴力と身体、無垢なる魂の軌跡。「やさしく恋するみたいに他の人体を壊す」

元同級生あべくんからのメールにあった文章から着想したシーンをつないで、
商業作家はあべくん自身の人生を小説にしようとする。
父による母殺傷事件、両親がころしころされていたあべくんはやさしく恋するみたいに他の人体を壊す。
殴られても反発するようによろこぶ身体。やさしさや暴力で愛撫し合い痛みをこらえるようによろこぶ身体。
物語にかえろうとするから人生はつらく、日常が重すぎてひとをころしたくなる。
恋人をころして自分も死んだところで折り返し、あべくんの物語は無限に再生を繰り返す。
小説家があべくんなのかあべくんがかれなのか、やがてふたりの境界は曖昧になり、問い自体が意味を失う。

言葉を与えられていない領域に光をあて小説は紡がれ、大量虐殺の記憶が時空を架橋しやがて物語は侵蝕される。
ーー世界文学に接続する芥川賞作家の真骨頂・新境地。ーー

鴻巣友季子さん絶賛!読書量と強靭な知性に瞠目!
“すべてのポートレイトは画家の自画像であり、すべての小説は自伝を目指すと言う。おそらくすべての小説はどこかしら、一人称の失恋なのだ。”
“小説でなにかを「再現」することは、過去のよみがえりのように見えて、未然の予告なのだ。すべてのフィクションは自伝を目指し、すべての自画像は他人の顔をしている。”
“かきあうこと、傷しあうこと、死にあうこと。「かれ」と「私」、その人称空間のよじれは経験と真実味との落差そのものだ。落差から、小説は来る。”――鴻巣友季子(翻訳家)

内容説明

ころす側の論理、ころされる側の論理。元同級生あべくんからのメールにあった文章から着想したシーンをつないで、商業作家はあべくん自身の人生を小説にしようとする。父による母殺傷事件、両親がころしころされていたあべくん…。暴力で愛撫し合い痛みをこらえるようによろこぶ身体たち。物語にかえろうとするから人生はつらく、日常が重すぎてひとをころしたくなる。恋人をころして自分も死んだところで折り返し、物語は無限に再生を繰り返す。小説家があべくんなのかあべくんがかれなのか、やがてふたりの境界は曖昧になり、問い自体が意味を失う。

著者等紹介

町屋良平[マチヤリョウヘイ]
1983年東京都生まれ。2016年「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞、19年「1R1分34秒」で第160回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

237
「人はだれでも犯罪者として生まれ無垢を演じる刑罰により日々を生きているのだ」 露悪的な私小説に擬態しつつ、ヤクザと図書館、母殺し・愛人殺し、大量殺戮・ホロコースト収容所、擬人化された小説と作者の対話が混濁の中に語られる。ラース・フォン・トリアー監督の映画の如く、見てはいけないものを見てしまった後悔と、とんでもないものを見た興奮が同居する。また、フォアキン・フェニックスのジョーガーの影響力と酷似し、嫌悪感の中で鬱に振られ、己の心の闇が炙り出される。この本は禁書と革新の書の紙一重、その先に悠々と立ちはだかる。2022/03/05

starbro

170
町屋 良平は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 著者の新境地でしょか、私小説的、純文学、この路線を行くと売れない芥川賞作家の烙印を押されます。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=00003580512021/12/03

kei302

67
読メユーザーの町屋さんの新作。「私小説」ふうにかかれたフィクション。たぶん。音楽なら、複数のモチーフをどうやって組み合わせ、展開させるかを試みた感じの作品に仕上がっている。これまでとは雰囲気が違う。密度の濃さが特に。 随所に、小説家:町屋良平の過去(!)が盛り込まれ、興味深く読んだ。2021/12/27

路地

54
あべくんに読書のきっかけを与えた過去の筆者、それを俯瞰する現在の筆者の三者が「かれ」「わたし」で書かれ、混乱を誘う。すでにこの世を去ったあべくんの文体を筆者が取り込んでいく様を表現しているのか。読める箇所があったかと思えば、すぐに難解な表現が追っかけてくるようで、時間があればもっと読み込んでみたくなる私小説だ。2022/10/26

ヘラジカ

54
久々に自らの文学に対する視野を拡張されるような作品に出会った。小説観というか、読むことや書くことに対する既成概念をぐちゃぐちゃにされる。物事や時限を区分するための網目状の境界線が消失した四次元空間、とでも言えばいいだろうか。他者と自我、被虐と加虐などの位相を超越した圧倒的文章世界。なんとも抽象的な言葉でしか表現できないものすごい小説。適当に日本文学でも読むかと、何の気なしに手に取ったので交通事故のような衝撃だった。唯一手元にあって読了済みのアメリーの著作『罪と罰の彼岸』を読み直して再読すべきかもしれない。2021/11/11

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